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(撮影:御堂義乘)

 

’17年は、よくも悪くも“女性の品格”が明暗を分けた一年だった。とくにニュースの主役になった女性たちの言動、資質、教養が問われた騒動が目立った。政界では「排除します」発言で失墜した小池百合子都知事(65)をはじめ、「このハゲ~ッ!」で世を騒がせた豊田真由子元議員(43)。そして政治家としての資質が問われたのが、週4回のW不倫疑惑をスクープされた山尾志桜里議員(43)――。

 

いっぽう、スポーツ界では、フィギュアスケートの浅田真央(27)やプロゴルファーの宮里藍(32)といった、多くの国民から愛されたアスリートの引退も大きな話題に。

 

いずれも、彼女たちの立ち振舞いが、そのまま世の中の評価につながった、そんな年だったような気もする……。そこで、毎年恒例の美輪明宏さんによる“愛の説法”、今回のテーマは、「尊敬される女性の立ち振舞い」とは何か? ’17年のスポーツ界を振り返りながら、語っていただきました。

 

■恥じらいのある女性は好感を持たれる!

 

立ち振舞い、言葉遣いひとつで、人の見る目は変わります。

 

最近、女性のスポーツ選手のなかで、感情を抑えながらちょっと恥じらいを込めてインタビューに答えたりする人が増えましたね。そういう姿を見ると、“だんだん古きよき時代に戻ってきているな”という感じがして、ホッとします。

 

浅田真央さん(27)やスキージャンプの高梨沙羅さん(21)は、いかにも恥じらいがあって、その恥じらいを含みながら受け答えをされている。まさに“麗人”という感じがしますね。

 

芸能界でも、最近の女優さんや歌手は、みんな同じような顔立ちが多いのですが、奇麗でスタイルもよく、育ちのいい感じの人たちが増えました。鈴木京香さん、小雪ちゃん、檀れいさんあたりから、少しずつ増えてきたように思います。

 

そういう、大和撫子のにおいがするような人が、ポツポツと出てきています。だから日本の若い人たちもまんざら捨てたもんじゃない。ただし、なかには行儀が悪くて“何これ?”っていう人もいますけどね(笑)。

 

■理性的で、謙虚、上品な“麗人”的生き方とは……

 

麗人とは「美しい女の人」という意味がありますが、私はそれに理性的で、謙虚、上品であることが、とても大切なことだと考えております。そしてそれが’18年に尊敬される女性になるために必要なこと。

 

理想は柳原白蓮、江木欣々らと共に、“大正三美人”といわれた九条武子夫人でしょうね。彼女は教育者であり、歌人としても有名です。着る物の趣味がよく、知識、教養も豊富。そして何よりも上品であること。敬語をきちんと使い分け、歩き方から座り方、指使いからお皿やお箸の持ち方まで気品がある。日本舞踊ではないけれど、ちょっとしたしぐさがエレガントで絵になる女性です。

 

知識、教養においても、政治経済の分野にも詳しいのですが、そういうことを自らひけらかそうとはしません。他人から聞かれれば答えるような控えめな性格だったそうです。品格のない方は、聞かれもしないのに自分から知ったかぶりをして、しゃしゃり出てきます。そして相手を説き伏せようとする。そんなはしたないことをするようでは、だれからも尊敬されません。

 

自分の感情や本能を理性で制御できる人。これは男女共に、いちばん難しいことであり、それが麗人になるための条件でもあるのです。

 

九条武子夫人のような立ち振舞いができれば、誰からも慕われ、尊敬されます。そういう女性は、たとえ一緒になった男性が貧しくなっても、何ひとつ文句を言わないで家計を支えるでしょう。

 

いまの奥さんたちのなかには、夫を責めたり、プレッシャーをかけたり、ご近所のママ友に夫の愚痴をこぼしたりとか(笑)。なかなか自分の感情をコントロールできない人が多いですよ。もちろん、これは我慢が必要なことだからとても難しいです。でも、それができる女性こそが、幸せを手に入れることができるのです。

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