ゆめこが産まれたのは日曜日。
家族で「笑点」をみるのが我が家の定番なのですが、そんな穏やかな団欒タイムにそれは突如やってきました。
破水です。
まめの出産時も破水から始まった私。
予定日を20日ほどフライングしているのもまめと同じ。すぐに陣痛が始まるところまで同じ。
こういう時に経験がモノを言うのですね。慌てふためく夫を尻目に、サクッと陣痛タクシーを呼んで出発です。
ここでちょっと出産の話ですが、陣痛が来たとしてもすぐに入院となるわけではありません。
病院に連絡を取り、陣痛が来る時間の感覚を伝えます。
陣痛の間隔が短くなってきたところではじめて病院に来るよう指示が出るのですが、破水してしまった場合は病院からの指示を待たずに即入院となります。
お股の間に大きめのバスタオルを挟んでへこへこ歩きでタクシーに乗りつつ病院へ。そんな時に陣痛がやってきました。一度経験したからわかる、産まれるまでそれほど時間がない感じの、あの痛みです……
時間外受付に到着した時には、痛みは最高潮に達していました。
まめと私の入院荷物を抱えておろおろする夫には頼れず自分で手続きをするも、痛みで手は震えるわ、まめは不安が伝染したのかギャンギャン泣き叫ぶわで私は軽くパニックに陥っていました。
そんなとき
突然私の肩に何かがかけられ「落ち着いてね、大丈夫」と優しい声が。
そう、受付からの連絡を受けて助産師さんが来てくれたのです。
震える私の肩を優しくさすりながら、穏やかな口調で励ましてくれた助産師さん。
聞けば、彼女も5人の子供を産んだのだそう。
「だから大丈夫。お兄ちゃんもすぐに落ち着いてくれるから。今は産むことだけ考えて!」
ああ、なんて力強く重みのある言葉なのでしょう。経験に裏付けされた自信が言葉からあふれ出て、私の心を奮い立たせてくれます。
そう私だって2度目なんだもの、大丈夫。
無事にゆめこを産み落としてみせる!
そこにタイミングよく助産師さんが到着。
…ん?
助産師さんが到着??
状況やタイミング、そして彼女の豊富な知識と的確なアドバイスによって私はすっかり勘違いしてしまっていたのですが
私に寄り添い、励ましてくれたその女性は助産師さんではなかったのです。
日曜日の夜の時間外受付ですから
そこには色々な患者さんが集まります。
よくよく見れば、彼女の傍らには可愛らしい少年が。
……ということはですよ。
私は、日曜日の時間外に病院に来るほどご自身(もしくは連れのご家族)の身体が辛いはずの患者さんに励まされ、ぬけぬけと弱音を吐き、元気付けてもらっていたということですね……
今更ですが……
申 し 訳 あ り ま せ ん で し た !!
そして私は2人に見送られながら産婦人科病棟へと向かうのですが
その後のマヌケかつ壮絶な出産の話についてはまた別の機会に。
あのときのママさん、私はあなたのおかげで落ち着いて出産に望むことができました。
そして元気な娘を産み落としました。
本当に、本当に、ありがとうございました。