就任から1カ月、連日ニュースを賑わせる小池百合子都知事を、“先輩”の元女性知事たちはどう見ているのか。
「政治家としては、最高のスタートダッシュですね」
そう話すのは、日本初の女性知事となった、元大阪府知事の太田房江参院議員(65)。就任早々、都議会の“ドン”内田茂都議(77)に挨拶回りをすっぽかされたりと、昼メロばりの“いじめ”にも遭った小池都知事。太田さんは「私も同じ経験をしました」と自らの経験を話してくれた。
「私が府知事になったときも、当選して自民党会派の控え室に挨拶に行ったら、1人しかいなくてね。私は当時、政治の世界の論理を何も知りませんでしたから、『あれ?みんな出払ってるのかな』くらいにしか思わなかったんですが、後から考えれば、当時の私は“歓迎されざる客”だったんですね。でも、それぐらい鈍感だったのがよかったのかもと今は思っています」
太田さんが評価するのは、小池都知事の“嗅覚”だ。
「彼女はこれまで自民党都連所属の国会議員として、また環境大臣の経験もありますから、築地移転問題にしても“土地勘”があるというか、きちんと小池さん自身が勉強されてきていると感じます。けっして一時のパフォーマンスではないですよ」
太田さんは、“小池都政”に90点と高い点数を付けた。また00年から08年まで日本で2人目の女性知事として熊本県知事を2期務めた潮谷義子さん(77)も、小池都知事のスピード感のある仕事ぶりを高く評価しているという。
「都政で何が起こっているのか、現状をきちんと情報公開することを心がけていますし、築地問題でも、就任後すぐに現場視察に行っています。都民目線での現場主義を貫こうとしていますね。自らのリーダーシップで都政を大きく変えていこうという姿勢を感じます」
潮谷さんは「自治体の職員との信頼関係が何より大切」と経験に基づいて、小池都知事にアドバイスを送る。
「私の知事時代にも、川辺川ダムの建設問題があり、私はどんなに議会に叩かれても打たれても、県民のためであればと必死で取り組みました。ただ、県職員たちと信頼関係がなければ、必要な情報が知事まで上がってきません。小池知事は現場主義を標榜されていますが、その現場の“どこ”に足を運ぶのか、事務方から情報が上がってこなければ、それすらわからないのです。そうしたことをぜひ心がけて、『私が』『私が』と独善的にならずに、あくまで“都民目線”でこれからもがんばってほしいですね」
採点を聞くと、「まだ始まったばかりで難しいですね」と苦笑しながらも、「スピード感を持ってさまざまな施策を打ち出していますので、90点でしょうか」と笑った。
先輩の女性知事たちからは、意外な高評価となった小池都政。このアドバイスを取り入れれば、今後も支持率上昇間違いなし!