人気者ゆえの宿命か。まだ春季キャンプも始まっていないのに、日ハム・大谷翔平(18)の周囲は喧騒に包まれている。大谷の代名詞となっている”二刀流”の問題だ。
「メジャーとは投手として交渉したことからもわかるように、もともと本人の希望は投手。そこで日ハムは交渉術のひとつとして野手を加え、二刀流を提案した。だが、どの球団のスカウトに聞いても、評価が高いのは打撃を生かせる野手」(担当記者)
投手としては特筆されるスピード、体の柔らかさ、フィールディングの上手さはあるが、コントロール、変化球、投球術などはまだまだと前出の担当記者は話す。それを証明するかのように160キロを計測しても、岩手県予選は勝ち抜けなかった。
「(投手として)足りないものを補うためには、少なくともあと3年はかかる。これはスカウトの共通した評価。対して、打撃は長身のわりに柔らかいバットコントロールがあり、即戦力の評価。メジャー云々の前、本人が投手をやりたいという希望を言ったことで、指名を降りた球団が何球団もあったほど」(前出・担当記者)
1月24日、大谷は新人合同自主トレで初めてブルペンに入った。翌日の各スポーツ紙には躍動する彼の姿が伝えられていたが、じつは肩透かしに終わった、という声も少なくない。
「高めにすっぽ抜けたり、コントロールにバラつきが見られた。内容にムラがあったため、厳しいという声もあった。一方、打者としての評価は、二軍の主力が『すでに俺らを超えている』と危惧したほど。じつは報道陣の間では、栗山監督がいつ二刀流にストップをかけるのか、”Xデー”を予想することが、目下、最大の話題となっている」(スポーツ紙デスク)
もっとも、ここにきて大谷本人の考えにも変化が表われはじめたようだ。キャンプ間近になり、鎌ヶ谷にも主力クラスが顔をだしはじめる。大ベテランの稲葉が打撃練習を始めると、大谷は食い入るように見つめていた。ついには『軽はずみに二刀流と言ってはいけない』とこぼしたという。球団関係者は、すでに決まっているという球団の方針をこう明かす。
「キャンプ直前に糸井が放出されたことで、栗山監督は『(大谷の)開幕右翼はありうる』と語ったが、これはリップサービス。まずは本人が希望する投手でスタートさせる方針を固めている。大谷はまだ成長痛を抱えているので、慣れないポジションで野手練習をさせて怪我でもされたら元も子もない。しばらく”野手大谷”は封印するようだ。ただ、投手として結果が残せなければ、将来的には野手転向を目論んでいる。日ハムには、糸井を投手から野手に転向させ、成功させたノウハウがあり、それに関しては自信を持っている」
(週刊FLASH 2月12日号)