(写真・AFLO)
1月9日に羽生結弦(21)が出演するチャリティイベント『NHKフィギュアスペシャルエキシビション』。岩手県盛岡市で行われるこのイベントの収益は、「東日本大震災義援金」として被災者に寄付されるという。
羽生が全日本選手権4連覇を達成した直後の昨年暮れ、本誌は彼の故郷・仙台市を訪れていた。震災当時、羽生の練習拠点だったアイスリンク仙台は冬休み中ということもあってか、小学生の子供たちで大賑わい。小学校低学年の息子と来場した母親は「うちの子も羽生くんみたいになれるかもしれないと思って、指導を受けに来たんです!」と目を輝かしていた。リンクは、まさに“羽生を目指す子供たち”の熱気に満ち溢れていた。
絶対王者となった羽生だが、世界に羽ばたいた後も「故郷・仙台こそ自分を育んでくれた原点」と語り、恩返しとして多額の寄付を続けている。アイスリンク仙台の関係者は「著書『蒼い炎』の印税から600万円を寄付していただきバスを購入しました。遠隔地からの団体利用者の送迎などに利用させてもらっています」と語っている。
またソチ五輪の報奨金も仙台市に寄付しているが、その使い道について仙台市役所はこう回答する。
「ソチ五輪金メダルの報奨金のうち300万円は市役所を通じて、学校施設の災害復旧や道路整備、基盤整備事業などに活用されています。またソチ五輪後の市内で行なわれた凱旋パレードの余剰金742万円も仙台市を通じて、スケート体験教室の開催や連盟登録選手のリンク代金の補てんに使われています。こうした費用は新人発掘や人材育成につながり、ひいてはフィギュアスケートの競技人口拡大になると思います」
故郷の子どもたちの未来のため――。それは、すべて羽生の意向が反映されたものだった。そんな彼の将来設計のなかには、さらなる“感動プロジェクト”が浮上しているという。仙台市の関係者が、本誌にこう明かす。
「現在は仙台市の観光アンバサダーとして市のポスター撮影やPR活動などに協力していただいています。今後は災害復旧の費用拡大、そして人材育成として“羽生基金”のような組織を立ち上げることも考えているみたいです。その支援はフィギュアに限らず、広くスポーツ界の人材発掘や育成に取り組みたい。彼はそう思っているようです」
子どもたちの夢を助けたい! 羽生はその夢に向かって飽くなき快進撃を続ける。