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「見どころが多い場所ですね。17年ぶりに番付に4横綱が並びました。モンゴル勢のなかに稀勢の里が入り、約20年前、若貴兄弟が曙、武蔵丸のハワイ勢と闘ったときのような熱気を感じます。ほかにも今場所は見どころが本当にたくさんありますね」

 

こう語るのは、追っかけ歴30年の相撲リポーター・横野レイコさん(54)。稀勢の里の横綱昇進や業師・宇良の幕内デビューなど、若貴フィーバー並みの盛り上がりで注目必至の大相撲三月場所。このブームに乗り遅れないよう、横野さんと芸能界屈指の好角家であるお笑いコンビ・ナイツの塙宣之さん(38)に、注目ポイントを指南していただきました!

 

■実力派三役の台頭

 

塙「僕は稀勢の里と同じ田子ノ浦部屋の高安を推しているんです。『高安会』という飲み会もやったりしていて。以前から強かったんですが、最近ますます足腰も安定して強くなってきた。高安以外の三役も充実していますよね。御嶽海もかなり強い」

 

横野「御嶽海は、体の寄せ方がとても上手な力士。対戦した力士から『天才的だ』と評する声も聞きます。相撲では、体と体の間に隙間ができると、そこに勝機を見いだすそうなんですが、御嶽海は体の寄せ方がハンパじゃなくて、それは稽古をして得られるものでなく、天性のものでしょうね」

 

塙「お笑いでも“間”が大事だといわれています。そういう天性のすごさに注目してもおもしろいかもしれないですね。玉鷲の突っ張りとか」

 

横野「白鵬の体の柔らかさ、相撲勘、頭のよさも抜きんでていますね」

 

塙「相撲を見始めのころって、対戦時のスピードやパワー、体の大きさとか特性に目がいってしまうけど、ずっと見ていると、白鵬のようにあらゆるバロメーターが高い力士のすごさが見えてくるんですよね」

 

横野「大関時代の稀勢の里が『御嶽海は体の寄せ方に非凡なものがある』と言っていたことを御嶽海に話したら『対戦したこともないのになんでわかるんですかね』って驚いていました。『見る稽古』というのがあって、体を合わせなくても相手の相撲を見抜く力も必要なんです。横綱や大関は、頭もよくないとね」

 

塙「僕は阿武松部屋の稽古をよく見学に行くんですが、元・益荒男の阿武松親方が幕下の軽量な力士たちに『何にも考えてないな、相撲はタイミングだと言ってるだろう』と繰り返し話していますよ。そういうこともできてないと、上位にはいけないんですね」

 

横野「毎場所同じ相手と対戦するので、データ力や心理戦にもなっていきます。『控えに座ったときから相撲は始まっている』と、生前、先代の鳴戸親方が稀勢の里に何度も教えていました。控えに座ったときに、『あ、昨日の負けを引きずっているな』とか、『連勝して気が緩んでいるな』といった相手の心理をいかに見抜けるかが横綱と大関の差なんだ、と」

 

塙「たしかに、大関と横綱って力は同じくらいあるのに、何が違うのか、と思っていましたが、やっぱりそういう壁があるんですね」

 

横野「高安、御嶽海、正代、玉鷲らの三役陣から、今場所そこに割って入る力士もいるでしょうし、三役争いは熾烈。直接対決はどれも注目です」

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