「いま、ペットの世界も人間と同じように高齢動物が増えてきているんです。たとえば犬の統計。10年ほど前まで10%弱を占めていた1歳未満の幼犬の割合が、ここ数年は3%台に。それだけ高齢化が進んだのです」

 

そう語るのは、日本獣医師会の細井戸大成理事。人間同様、高齢化に伴い慢性的な疾患や複雑な病気を抱える犬が増えている。

 

「本来、獣医師とは、あらゆる疾患を診なくてはいけません。ですが、ペットの長寿、高齢化に伴い、よりよい医療を受けさせたいと願う飼い主さんが増えた結果、高度で細分化した専門的知識や技術を持つ獣医師や、それらを備えた二次診療の施設が求められるようになったんです」(細井戸理事・以下同)

 

細井戸理事によれば「いま日本の獣医業界は過渡期にある」という。

 

「日本では現在、多くの学会が独自の方法で各分野の獣医師を認定医として登録、紹介しています。ですが、アメリカにはそれとは比較にならないほどシビアな専門医制度がある。何年もハードな研修を積み各分野の難しい試験にパスした獣医師だけが、専門医を名乗れるというものです。そして、アメリカの専門医の資格を取得し、日本で臨床にあたっている獣医師は10人にも満たないのが現状です」

 

いま、日本の獣医学の世界でも、アメリカのような制度を作り「より高度な動物医療の実現を目指しているところ」(細井戸理事)だそう。基金を設け、アメリカの専門医資格取得のための留学費用を援助するプログラムが昨年、始まった。また、アジア版の専門医制度設立に奔走している獣医師や団体もある。そこで、細井戸理事に、より高度な動物医療を受ける方法を聞いてみた。

 

「まずは信頼できる、かかりつけの獣医さんを見つけることが第一です。そのうえで『何か難しい病気を患ったときには二次診療施設を紹介してください』とお願いしておくのが、ベストです」

 

最近は、かかりつけ医を飛び越しインターネットで、より高度な治療を受けられる施設を調べようとする飼い主も少なくない。だが、動物病院のなかには、先端機器をそろえ見栄えをよくして、集客ばかりに注力しているところも。

 

「ですから、まずはかかりつけ医の獣医さんとの信頼関係を築くことです。動物や飼い主さんのことを第一に考える獣医さんなら、自分の手に負えないと思った疾患なら、必ず二次診療施設を紹介してくれます。また、紹介先となる病院や施設を、ご自分のネットワークとしてきちんと持っているはずです」

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