「赤ちゃんたちは全員泣き続けていました。でも目がパッチリしていて、ほんとに可愛かったです……」と語るのは、女性や子供の支援や保護を目的とした団体の代表を務めるパウィナー・ホンサクンさん(65)だ。

 

8月5日、バンコク市内のマンションで9人の乳幼児たちが保護された。子供たちは全員、代理母出産によって誕生。父親は未婚の24歳日本人男性と判明したことから、タイや日本のみならず、世界各国で大ニュースに。その現場にいたのが、今春まで社会開発・福祉大臣を務めていたパウィナーさんだった。本誌は、バンコク市内で彼女を独占インタビューした。

 

「乳飲み子が(一部屋に)何人もいて、泣き声が絶えず聞こえてくることを不審に思ったマンションの住人が通報したことから、今回の事件は発覚しました。子供たちを保護するということもあり、私たちの団体に、警察から同行の要請があったのです」

 

当時、3部屋に分かれて生活していたのは9人の乳幼児と10人の女性。

 

「弁護士は『9人の赤ちゃんの父親は同一人物で、日本人だ』と話していましたが、なかには肌がかなり白くて欧米系の特徴が強い子もいました。欧米系の女性の卵子を受精させ、タイ人の代理母が産んだということなのでしょうが、タイ人の子供に見える子は一人もいませんでした」

 

24歳日本人男性は「(将来的には)100人から1000人の子供を造る計画です」と語っていたというが、パウィナーさんは厳しく批判する。

 

「私たちがまず守らなければいけないのは、生まれてくる子供たちの幸せです。“子供を愛したい”“大切に育てたい”と熱望する親のためでなければ、代理出産を認めるべきではないと思います。今回、男性は(保護の翌々日に)タイから逃げ出しています。本当にあの赤ちゃんたちを愛しているのなら、なぜ10日以上も会いにこようとしないのでしょうか?」

 

24歳男性は、今後どのように“父親としての責任”を、とっていくのか――。

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