目的がはっきりしていて、住人たちがそれに向かって助け合っているのが最近のシェアハウス。現在、シェアハウスは都心だけに留まらず地方にも広がりを見せている。そんななか、フロアごとに違う関心を持つ人が集まる異色のシェアハウスを発見!
東京都世田谷区駒沢にある「シェアプレイス駒沢」は、昨年オープンしたばかり。共有スペースは1カ所というシェアハウスが多いなか、15階建ての中に4つのラウンジを持つ珍しい物件だ。女性専用フロアに男性は入れないが、それ以外は自由に行き来ができる。
5〜7階の居住者が主に使う、6階のラウンジは「Cook」というテーマで設計されており、ほかのラウンジよりも調理設備が充実しているのが特徴だ(なお、3階のテーマは「Beauty」、9階は「Think」、12階は「Feel」)。広々とした調理台に炊飯ジャーは4台、ヘルシオなどの最新調理家電も並んでいる。
「みんなで一緒に料理をするのが楽しいですね。ここに住むようになってから、若いコたちの話も聞けるようになって、刺激を受けています」
そう言ってほほ笑むのは、住人でフードソムリエの北村貴さん(47)。自宅は北海道だが、月に半分は仕事で東京に来るため、その間はこちらで生活しているそう。
「ホテル暮らしだと、お金もかかるし外食続きで体にも悪い。ここならマンションを借りるよりも大きなキッチンが使えるので、食を仕事にしている私にはピッタリなんです。それに、都心で暮らす若い世代の方たちと交流できるのも大きな魅力。デザイナーや起業家などさまざまな人が暮らしていて、台湾、フランスなど国際色も豊か。レシピ提案や食にまつわる商品開発に必要な感度も、ここで磨ける気がします(笑)」
誰かしらがリビングに集まっては、食事会やお茶会が開かれる毎日。若い世代との人脈が広がったことで、仕事のヒントを得ることも少なくないという。都会の真ん中にそびえ立つシェアハウスには、さまざまな出会いが生まれていた。