いま、ある目的のために、それまで苦痛だった家庭学習や習いごとの試験、さらには家のお手伝いにまで意欲的に取り組む、そんな女子小学生たちが急増しているという。 頑張ったご褒美として、彼女たちは親にこう“おねだり”する。「『アイカツ!』やらせて!」
少女たちが熱狂しているのは、アイドル育成をテーマにした『アイカツ!』だ。’12年にバンダイ・アイドルオーディション・カードゲーム『データカードダス・アイカツ!』として登場以来、カードの累計出荷枚数は1億1千枚超、関連グッズを含めた総売り上げは今年度141億円を見込む。各地で開かれるイベントも親子連れで常に盛況。百貨店やスーパーに設置されているゲーム機にカードを読み込ませて行う「アイドル活動」に少女たちはハマっている。『アイカツ!』では、集めたカードで自分のキャラクターのファッションをコーディネートし、音楽ゲームによるオーディションに臨むなどして、自分のキャラをアイドルにするべく育てていく。
話題のゲームが、子供たちの勉強やお手伝いのモチベーションとなるというのは、ほかの作品でもありそうな話。だが、『アイカツ!』が子供に与えるメリットはこれにとどまらない。ゲームの特性が、さまざまな能力を育むサポートをしてくれるという。娘と一緒に各地のイベントに足を運び、カードの所有枚数は2千枚以上というヘビーコレクターの星野なつみさんをはじめ、アイカツママたちが実感したという効果とは次のとおり。
1、リズム感&瞬発力
「『アイカツ!』のオーディションには音楽ゲームの要素があるので、それに何度も挑戦しているうちに、『リズム感や音感がよくなった』『瞬発力や洞察力がついてきたみたい』と話すママ友も多いんです」(星野さん)
2。美的センス
「『アイカツ!』を始めてから、ファッションに興味が出てきたのか、日常生活での色づかいや、自分の洋服のコーディネートにも敏感になってきたみたいです。母子共通のテーマが見つかって、会話の話題も増えましたね」(45歳・パート)
3。コミュニケーション能力
「うちの娘はもともと内向的なところがあって、どちらかといえば無口な方でした。小学校に入った当初は、友達と何を話したらいいかわからないと悩んでいた時期もあって。それが、『アイカツ!』を始めてから、会話にもスムーズに入っていけるようになって、仲のよい友達が増えたと喜んでいます。家でもよく話すようになりましたね」(30歳・専業主婦)
4。積極性&行動力
「基本的に、家の中では『アイカツ!』のゲームはさせません。娘とは、各地で開催されるイベントに参加するため、他県に遠征もしています。娘はそこでの優勝を目指して夢中に取り組んでいます。勉強やお手伝いをきちんとしながらであれば、これだけ積極的に取り組めることがあるのはいいことだと考えています。それに、遠くへ足を延ばすと、他県で学校以外の新しい友達もできる。ふだん遊ぶ友達のほかに、そういった交友関係を築く機会も、娘にとってプラスに働いていると思いますね」(星野さん)
美的センスにコミュニケーション能力――、なんと、流行のカードゲームを楽しみながら、少女たちは創造力を広げているのだ。初の映画化や新作アニメと、ますますその勢いを増している『アイカツ!』ブーム。正しい遊び方で、ぜひ子育てに活用してみたい!