「親から見ればダメな子でも、社会的にはそうでもないというケースもある。子どもの幸せがひいては親の安定、そしてお得にもつながります。頭ごなしにダメと決めつけず、視点を変えてみましょう」
そう語るのは、コラムニストの堀井憲一郎さん。子どもの心配は、いくつになっても尽きぬもの。だが、物事は見かた次第。失敗作に見えていたわが子でも、損得で考えたら得!という結果が出れば、なんだかいい気分になるのでは?
そこで、あなたの子どもが現在何をしているかでお得度をチェック。堀井さんがジャッジ、解説してくれた。心配要素だと思っていたことが、意外とお得だったりもするんです!
【アニメオタクの息子 vs 軍事オタクの息子】
「親からしてみたら、どっちも気持ち悪いし、心配ですね。自分にはわからない世界です。一言で『軍事オタク』といっても奥が深く、幅広いんですよ。オタクが高じて軍事評論家になったような人も、テレビに出ています。ただ、このように職業として成立するのは少数派です」
たいていは男の領域で黙々と研究調査し、現地に足を運び、資料を収集する活動形態。職業として実を結ぶ可能性は低く、何より女性との出会いが少ない。これは心配すべき点だと堀井さんは言う。
「一方のアニメオタクについては、心配することはありません。この世界は’07年を境にガラリと変わりました。もうかつてのようなネクラな男たちの集まりではないのです。僕は早稲田大学のアニメ研究会に35年間関わっていますが、’07年ごろを境に、女子学生が急増しています」
また、年2回開催される「コミックマーケット」は世界中から人が集まる国際的なイベント。ここにかわいいアニオタ女子がコスプレをして集結するなど、すごく華やかになっている。いまやアニオタはリア充なのだ。
「オタクの息子を持つと、母親は『彼女ができない』『結婚できるのか不安』と嘆きがちですが、息子がアニオタなら心配は無用です。昔は女子と同席なんて夢のまた夢だった男子の、出会いの場となっているのです。軍事オタクのように一人黙々と知識を深めていくタイプは、ハッキリ言って出会いがほぼない。集めたグッズは女性の気を引く役にも立ちませんし、お得とは言いがたいでしょう」