嵐・櫻井翔(34)の父親で、総務省事務次官などを歴任した櫻井俊氏(62)。その“天下り先”は意外な業種だった。
「77年に東大法学部から旧郵政省に入省した櫻井氏は、6月に総務省を退官。在職中は情報通信分野では省内で右に出る者がおらず、“ミスターIT”と呼ばれ、辣腕を振るってきました。そうした経験から年間4千万円とも言われる高額報酬で大手通信会社のKDDIから、在任中に『ぜひウチに』とスカウトの声がかかっていたのですが……」(総務省関係者)
しかしフタを開ければ、天下り先は畑違いの三井住友信託銀行。
「このオファーにも乗り気ではなかったそうですが、結局、信託銀行に決めたのも、息子の仕事に影響がないように、できるだけ目立たないようにしたかったからだと思われます」(前出・総務省関係者)
息子の翔は、嵐のメンバーとしてKDDIのCMに出演したことがある。前出の総務省関係者はこう語る。
「俊氏がKDDIに再就職していたら、息子は、父が幹部として在職する会社のCMに出づらくなることは容易に想像がつきます。嵐を再起用したら、『パパの力だ』なんて言われかねないですから」
そんな事態を俊氏は、自ら事前に阻止したようなのだ。
「俊氏が都知事選の出馬を取り沙汰されたとき、いち早く“固辞”を表明したのも、やはり息子に迷惑をかけたくないというのが理由でした。都知事選期間中、息子はキャスターを務める『NEWS ZERO』(日本テレビ系)を休むのでは、とも言われていましたから」(政治部記者)
銀行顧問の年収は1千万円台とも。オファーがあった会社より2千万円以上も年収が低くても、息子に迷惑はかけないという親心がまさった。“ミスターIT”と言われた俊氏だが、天下り先でどんな仕事をしていくのか。
「スマホを活用した口座や家計管理、ネットを使った海外投資などのIT関連事業を拡大したい銀行の熱意にほだされたそうです。遺言による資産管理など、高齢化社会に向けての信託銀行の役割も今後大きくなるでしょう。社会貢献になるならお手伝いしたいと、引き受けたそうです」(前出・総務省関係者)
こうして一件落着したように見えた俊氏の天下り問題だが、別の話も聞こえてきた。
「次のNHK会長候補に、俊氏の名前が挙がっているんです。強く推しているのは菅官房長官です。菅さんは、自身の総務大臣時代に、直接俊氏を事務次官にまで引き上げた張本人。麻生財務相に推された籾井現会長ですが、問題発言が多く、菅さんとしては早く別な人に代わってもらいたい。そこで絶大な信頼を置いている俊氏に登板してもらいたいと考えているんです」(首相官邸関係者)
しかし、これも俊氏はきっぱり固辞するだろうと、別の政治部記者が話す。
「そんなことをすれば、嵐がNHKに出るだけで二人の関係性がメディアに取りざたされます。息子に迷惑がかかることをあの人はしませんよ」
引く手あまたの俊氏だが、子供を思う気持ちには、揺るぎはないようだ。