「国民に寄り添いたい」とのお気持ちから、被災地など頻繁に遠方まで足を運んでおられる美智子さま。行く先々での慈愛あふれるお声がけに、感動の涙を流す人も多いという。それは、まさに“奇跡を起こすおことば”−−。実際に美智子さまとお会いしたことで「人生が変わった」という方の証言をご紹介。
「苦しさのあまり命を絶ちたいと実行に移しかけたことが、何度もあります。でも、生きて勇気を出せばこのようなこともあるのだと感無量でした」
兵庫県伊丹市在住の古結芳子さん(68)は、35歳のころから膠原病と闘っている。現在はうつ病にも苦しみながら、本誌に美智子さまへの思いを寄せてくれた。
「ご交流のきっかけは’89年の北海道札幌市での全国障害者スポーツ大会です。両陛下を兵庫県の代表として会場でお見かけでき大感激しました。スタンドから立ち上がって、一生懸命に手を振ると、それが皇后さまのお目に留まり、優しくうなずいてくださったんです。私に気づいていただけたことがうれしくて、心が通じたことをいつか自分の本にして書きたいと思いました」
阪神・淡路大震災が起きた’95年秋、古結さんは出版した闘病記を美智子さまへ贈ると……。
「『こちら御所からです』のお電話に驚きました。『これから皇后さまにご本をお渡ししますので』と、女官長さまからのお電話でした。そしてその後『皇后さまがご本を読まれ、お言葉を頂戴しましたのでお伝え申し上げます』とのお電話で、私は舞い上がりそうになりました。『苦境を乗り越え尚尚お体を大切に、いついつまでもお健やかにお過ごしくださいますように……』とのお言葉を頂戴して、受話器を置いた後で全身が震えたことが忘れられません。こんなことがあるのかしらと、うれしさで胸がいっぱいになりました。それ以来“まだ生かされてます”との思いでお便りを差し上げると、そのたびに女官長さまからお返事をいただき、恐縮いたしました。お返事をいただきたくて書くのではなく、今の自分のことをお伝えしたかっただけです。本当にこのような者に濃やかにお気遣いをいただいていいのかしらと思うことばかりでした」
美智子さまからのお言葉を心の支えに、今も古結さんは懸命に生きている。