「国民に寄り添いたい」とのお気持ちから、被災地など頻繁に遠方まで足を運んでおられる美智子さま。行く先々での慈愛あふれるお声がけに、感動の涙を流す人も多いという。それは、まさに“奇跡を起こすおことば”−−。実際に美智子さまとお会いしたことで「人生が変わった」という方の証言をご紹介。
「昨年4月、ねむの木学園の子どもたちの描いた絵の展覧会に、皇后さまがいらっしゃいました。私はふだんは車いすですが、皇后さまに手を握っていただくと元気が出て、その日は立つことができました。何よりうれしいのは、皇后さまはいつも『あの子はお元気にやっていますか。絵を描いておりますか?』と、子どもの名前まで覚えていただいていることです」
笑顔で語るのは、社会福祉法人「ねむの木学園」(静岡県)の園長・宮城まり子さん(88)だ。美智子さまが40年以上もお心をよせる同学園は、’68年、さまざまな事情を抱えた子どもたちのために、宮城さんが私財を投げうち設立。子どもたちの絵の教育にも力を入れた。それが後に、美智子さまとの“友情”につながる。
「『子どもたちの絵を見せていただけますか』というお話がありました。東宮御所に絵をお持ちすると、当時皇太子妃だった皇后さまは、大変よろこんでくださったのです」
人材集めなど、学園の運営は苦労の連続だったが、美智子さまの“お心”が、宮城さんに力を与えてくれた。
「美術館の展覧会や学園にもお越しいただいたし、学園を題材にした映画を作ったときは、御所内で上映会まで開いてくださいました」
こうした“交流”は、現在も続く。
「皇后さまとお会いするのは、いつも楽しみです。多くの言葉を交わさなくても、深い愛情が伝わってきます。だから『お元気でね』という一言でも、すごく力が湧いてくるのだと思います。被災地など行く先々で多くの人に力を与えていらっしゃる皇后さまは、“ニッポンの母”と言えるのではないでしょうか」