「私は、保有資産50億円以上、年収5億円以上ある国内外の『大富豪』と呼ばれる方々に、執事としてお仕えしております。大富豪であり続ける方は、『皆さん、同じように考えて行動されている』と思える、共通する習慣があるのです」
こう語るのは日本で唯一、執事サービスを提供する「日本バトラー&コンシェルジュ」の代表・新井直之さん(42)。’08年の創業以来、世界の大富豪100人を間近に見てきた経験をもとに、著書『執事だけが知っている世界の大富豪53のお金の哲学』(幻冬舎)を出版。今回、新井さんが見てきた「大富豪のマネー習慣」を証言してもらった。
執事の証言〈1〉「松竹梅で迷われたら、梅を買われます」
「たとえばうな重。通常、一般の人は真ん中の竹を選ぶことが多いようです。普通のお金持ちは松。けれど大富豪は梅を選びます。初めて入る店でも梅を選び、試しておいしいとわかると次は竹、松と選んでいくのです」
執事の証言〈2〉「持ち家の方はおられません」
「大富豪は投資物件は持ちますが、自宅は買いません。購入すると家の維持費も必要ですし、その家が中心の生活になるので、それよりも移動しやすく家に縛られないようにされます。車も、会社の所有車は多いですが、自己所有はせずに、リースやレンタルされる方が多いんです」
執事の証言〈3〉「1円玉がいちばんの投資商品であることをご存じです」
「手持ちのお金をいつも大量に1円玉に両替される方がおられて、不思議に思い尋ねてみると、『1円は最大の投資商品なんだ。株は会社が倒産すれば消えるけれど1円は残る』とおっしゃいました。大富豪は最悪の事態も見据えて投資しているのです。1円は日本国が保証している貨幣です。もし、日本という国がなくなる事態になり通貨価値が落ちても、アルミニウムとしての価値が残ります」
執事の証言〈4〉「最大の投資は節約とご存じです」
「大富豪は家計の見直しを、いつもされています。そして収入を10%増やすことよりも、支出を10%下げることを選ばれるのです」
執事の証言〈5〉「未来の家計簿をおつけになります」
「大富豪の皆さんは、これから使うお金を家計簿に記録するのです。先に計画を立てる“未来家計簿”をつけていくと、逆にムダな出費がなくなります」
執事の証言〈6〉「確定申告を真面目にされています」
「大富豪の方は、ドラッグストアで買った薬の領収書ももらい、しっかり保管されます。ケガや病気の治癒目的のものは医療費控除になるからです。お金持ちほど、税金の申告もきっちりされています」
執事の証言〈7〉「自分の財布にいくら入っているかを常に把握されています」
「小さいお金を把握できないと、大きなお金も把握できません。財布というのは、もっとも身近な資産です。所持金の把握は資産管理の基本なんです」
新井さんも大富豪に「家計簿ぐらいつけてみなさい」と言われたことがあるという。
「私は、『マネーフォワード』というスマホのアプリでお金の管理をしています。銀行、クレジット、証券、マイレージ、ポイントなどが、リアルタイムで一括管理できます。大富豪の皆さんは、人生を楽しむという、共通の目的があります。そして彼らの価値観や哲学には、きっと皆さんの人生を豊かにするヒントがあるはずです」
世界の富豪たちの考えをまねることで、大富豪に1歩近づけるかも!