image

二十四節季の大雪を迎えて、冬の真ん中です。
寒さも本格化してきたので、わが家の電力は暖房器具に注力するシーズンです。
「電力自給=毛布にくるまってブルブル震えている」。このようなイメージを持たれるのですが、いえいえ、そんなことはありませんよ(笑)
こうしてエアコンにお世話になっています。

image

こちらは昨年購入した電氣ストーブ。100Wから1.2kWまで調節できる優れ物♪いつも200~300wで暖をとっています。

image

さて、来年2016年4月にいよいよ電力自由化が始まります。そして、年明け1月からは早くも先行申し込みがスタート。
電力自由化になると、小売り電氣事業者に登録されたところから電気を購入することができるようになります。
現在、70社ほどが小売り電気事業者として登録していて、それぞれ特色が異なります。
例えば、ガスとセットになっていたり、地域で作った電力だったり、原発ゼロのエネルギーだったり。魅力を感じる会社から電氣を買うことができるようになります。
一見よい社会の流れの変化が生まれているように見えるのですが、正直に言うと、わたしはあまり希望を感じていないんです。
今灯では、その理由について少しお話しさせてください。

いまの電力会社を卒業して別の事業者から電氣を買うようになっても、いまある送電線を使用するので、その使用料は電氣料金に上乗せされて大手電力会社に払われます。また、原発廃炉費用も電氣料金に上乗せされることになっています。
つまり、どの事業者を選んでも、結局東京電力などの大手電力会社におカネは流れていきます。

市民発電など地域で作った電力を買えるようになったとしても、その電氣は固定価格買い取制度(FIT)を通して一度大手電力会社が買い取ります。
このFITを支えているのは、みなさんの電氣料金に上乗せされている再エネ賦課金。
東電などは自分たちのおカネで買ったフリをしていますが、本当はわたしたちのおカネなので、痛くも痒くもありません。
FITを挟んだこのような市民発電が増えれば増えるほど、一般消費者の賦課金はどんどん膨らんでいき、みなさんの電氣料金の負担は大きくなってしまうパラドックスがあるのです。

電力自由化しても、大手電力会社には、送電線使用料、廃炉費用、賦課金などのおカネが入ってくるようになるので、むしろ現在よりも潤うのではないのだろうか…と心配になります。
原発事故の責任を取る姿勢が全く感じられない東京電力。
自分たちの力で問題を解決していく意識が感じられないですし、わたしたちに負担を押し付けようとしているようにすら見えます。
わたしたちが送電線と繋がっている限り、彼らはわたしたちに甘え続けようとします。

オフグリッドは電力会社を〝自立〟させるためにも必要なこと

オフグリッドとは、「オフ=切る、グリッド=送電線」。
自分と電力会社を繋げている線をカットすることで、自分の暮らしに使う電力は自分で作ることになります。
これは自分たちを自立させることになりますが、相手を自立させることも意味するのだと、最近きづき始めました。
彼らが起こした問題を彼ら自身で反省し、知恵を絞り、努力工夫をし、解決させていくためには、わたしたちはおカネを渡して甘やかしてはいけないと思うのです。
甘えん坊の子どもにどんどんお菓子などの甘いものを渡していったら、ろくな大人に育ちません。
電力会社も一緒です。一事業者としての責任を全うできるよう、わたしたちは態度と行動で示していくことが大切だと思います。
自分も相手も自立して、社会に造り出してしまった問題を両者が同時に解決していくオフグリッド。
オフグリッドすると、解決するスピードが二倍に加速するイメージです。
こんな希望溢れるライフスタイルだからこそ、わたしはみなさんにオフグリッドを一番おすすめしたいのです!

もうひとつデメリットとして挙げられるのが、電氣料金の値上げです。
先行して電力自由化をしたイギリスやドイツでは、自由料金になってから値上がりしました。
このような前例があるので、日本では現行の規制料金を残しつつ料金を設定するようで、そのため電氣料金が高くならないはずだと言われています。
しかし、それは希望的観測に過ぎないと思っています。
石油や石炭の価格が上がれば、発電事業者は利益を出すためにコストアップ分を料金に転嫁するので、高くなる可能性があります。
既存の大手電力会社が、送電線利用料や廃炉費用を今後高くしていけば、もちろん高くなっていくことでしょう。
全ては相手次第となってしまいます。
このような意味でも、電氣代の値上げの影響を受けないオフグリッド生活の方が、安心して暮らしていけるように感じます。

オフグリッドの別の意味は、知らないあいだに繋がってしまって依存していたものから自立することでもあります。
電力自由化して、原発ゼロの別の事業者から電氣を得るようになったとしても、100%相手に頼りきってエネルギーを任せていては、今までの社会の構造と変わらず、根本的な解決には至らないように感じます。
太陽光発電キットなどを導入して、100%依存から少しでも自立して、自分たちの使うエネルギーは自分たちで作り、まかないきれない分は、環境に優しいカタチで作られた電氣を買うなど、少しでもエネルギー自給していくことが大切なように思います。
でも、家一軒分くらいでしたら、わが家のように普通に暮らしていけますから、完全オフグリッドも十分可能ですよ♪

image

目前までやってきた電力自由化。
電力自由化で問題解決ができるように惑わされそうになりますが、表面の情報に囚われることなく、本質を見抜き、いま選択すべきエネルギー問題解決方法は何なのか、いま一度みんなで考えていけたらいいですね!

関連カテゴリー:
関連タグ: