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前灯の第85灯でご紹介した、わが家に仲間入りした寺田鉄工所の太陽熱温水器「サントップ」。よく晴れた日に、人生初めての“お日さまお風呂”を体験しました!給湯スイッチをONしていないのに、蛇口をひねると温かいお湯が出てくるというこの奇跡。「わ~!温かい!ちゃんとお湯が出てくる~!」と、思わず叫んでしまいました(笑)温度計で測ってみると40.4度。なんという絶妙な温度なのでしょう!

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お湯がたっぷり入ったバスタブにザブンと身体を入れると、お日さまの愛が全身に伝わってきて、感動して泣きそうになりました。不思議ですが、お湯が柔らかく丸い感じがするんです。地球の地下資源である天然ガスを燃やさずとも、天の光でお湯がつくれてこんなに幸せなきもちでお風呂タイムを楽しめるなら、断然こちらの方がいい!と心底思いました。晴れた日は、電氣富豪だけでなくお湯富豪というワクワクが加わったので、オフグリッドライフの満喫度もアップしています♪

 

このサントップですが、瀧川さんのご提案によって〝サトウさん家バージョン〟として特別に仕掛けが施されています。それは、貯水タンクの下にコックをつけて、外からでもお湯が出せるようにしたことです。

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その目的は防災です。コックをつけておけば、万が一天災などが起きて断水となった場合、タンクの中に溜まっている約200リットルのお湯を、飲料水やトイレの排水やカラダを洗うお湯として使うことができます。防災のためにミネラルウォーターを何十本も用意しておく必要もなく、給水車で水を入れた重いタンクを自宅まで持ち運ぶこともありません。普段の暮らしそのものが防災であることの大切さは、東日本大震災を経験して痛感しています。わが家は100%電力自給しているので、またあのようなことが起きたとしても停電することなく、またお水や食糧を買い占められて右往左往するということもなさそうです。グリッドから外れるということは、自立できる範囲が広がるということですので、自ずと災害時に強い暮らしとなることも特徴のひとつですね!

 

さて、この太陽熱温水器のサントップを最大限エコに活用するには、少し工夫が必要です。というのも、ガス給湯設備と連携しているために、熱いお湯がタンクから流れてくると、給湯設備がエラーを起こしてしまうのです。そのため、タンクで温まったお湯を水道の水とミキシングして、38度くらいのお湯にしてから給湯設備を通過させて、ガスで温め直してまた40度くらいにして家の中でお湯を使うという二度手間が発生します。これはものすごくもったいないことです。そこで瀧川さんに教えていただいたテクニックが、給湯システムの電源を入れずにオフ状態で使うということ。エラーシステムが反応しないように最初から電源を切っておいて、熱いお湯でも給湯設備を通って家の中に入ってくるようにしてしまいます。熱い場合は蛇口にあるノズルで調整して、お水とお湯がちょうどよい温度に混ざるようにすれば、40度くらいのお湯がキッチンやお風呂で使えます。

 

わが家のお風呂は全自動のためにカラン(蛇口)がついていないので、お日さまお風呂を入れるときは、このようにシャワーヘッドを取り外してお湯が出やすいようにして、太陽熱温水をバスタブに注ぎ込んでいきます。

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ちょうどよい温度であればそのまま注ぎ、熱すぎたらお水で調整して40度くらいになるようにして、逆にぬるかったり冷たかったりする場合は給湯をオンして追い炊き機能を使って温めています。曇りの日はお湯の温度が30度くらいしかなかったので、バスタブにお湯が溜まった後に40度のお湯になるように追い炊きしました。すると、ほんの数分ですぐにお風呂が沸いてしまってビックリ!いつもわたしたちが入っているお風呂は、冷たいお水から温めているからあんなに時間がかかっているんですね。ぬるま湯を沸かすことでガスを使う量がとても減ることを実感しました。家庭で使われるガスの使用は、7割が給湯で3割が調理。この7割のガス使用量が減ったら、家計も地球もラクになりますね♪

 

初めてお日さまお風呂に入った翌日に、その残り湯で洗濯したときのこと。乾いた洗濯物を家に取り込んで、シャツをアイロンがけしながらあることにきづきました。それは、最初から最後まで太陽のエネルギーだけでできたということ。太陽熱で沸かしたお風呂に入って、そのお湯を洗濯に使って、太陽で生み出した電氣で洗濯機を動かして、太陽に照らされて洗濯物が乾いて、太陽でつくった電氣でアイロンがけをする。化石燃料に頼らずとも大きなシステムに依存せずとも、太陽の恵みだけで、平和に環境に優しくみんなと同じように生活できている!新しい時代の幕開けをしみじみと感じて、アイロンをかけながら一人感涙してしまいました(笑)

 

今回の導入費は、〝サトウさん家バージョン〟の特注架台やコックなどを含んで43万円です。もともとわが家はガス使用量が少ない生活なので、電力自給のための機材と同様に元は取れない見込みです。わたしたち夫婦は、誰かより得をしたり儲けようとしたりする生き方からオフグリッドしているので、そのあたりは全くきにしていません。むしろ、エネルギー自給の楽しさが増した満足感や、災害時の安心感や、ガスとオフグリッドできた爽快感の方が勝っていて、まさにプライスレスです!

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