一年間に20以上も執り行われている「宮中祭祀」

その一年間のお祭りをご紹介するその前に、皇居にある「宮中三殿」についてです。

 

 

賢所(かしこどころ)

皇祖天照大御神一柱が奉斎されています。

「同床共殿の神勅」(どうしょうきょうでんのしんちょく)って聞いたことありますか?

『日本書記』にあるのですが、天孫降臨にあたり天照大御神は、

「此の宝鏡を私(=天照大御神)と思い、宮中に祀るように」と仰せになり、天皇と同じところ=同床共殿の皇居内に祀られていたのです。

けれども、祟神天皇6年。世の乱れとともに、神威を恐れて、皇女である、豊鍬入姫命(とよすきいりびめのみこと)に命じて、天照大御神さまを、笠縫邑に遷しお祀りされました。

そのとき、『古語拾遺』によると、改めて斎部市に命じて、石凝姥神の子孫、天目一箇神の子孫に、鏡、剣を作らせて、その鏡を宮中で奉斎されたのが、現在に連なる、「賢所」なのです。

この御剣と、天孫降臨のときに授けられた、八坂瓊曲玉(やさかにのまがたま)は、皇位継承とともに継承される神器です。

ちなみに、その後、豊鍬入姫命(とよすきいりびめのみこと)から、倭姫命に替わられ、倭姫命は、さらなるよいご鎮座地を探し求められ、近江、美濃を経て伊勢の国に入られ、五十鈴川の川上に奉斎されることになったと、『日本書記』垂仁天皇25年の条にあるのです。それが伊勢の神宮のはじまりですね。

以前は、恐れ畏(かしこむ)の意味であったとも言われています。

 

皇霊殿

神武天皇はじめ、124代の天皇、皇后、皇妃、皇親の御霊が奉斎されています。

 

 

神殿

天神地祇八百万神が奉斎されています。

 

神嘉殿(しんかでん)

毎年の「新嘗祭」が執りおこなわれるところです。

 

綾綺殿(りょうきでん)

「新嘗祭」に先立っての古儀「鎮魂祭」がおこなわれるところです。

 

では次回はいつ、どんなお祀りが行われているかをご紹介しますね。

プロフィール

image川村一代
「女性自身」記者として活動の傍ら代替療法と「癒し」をテーマに
ヒーリング特集を執筆。
2001年『myselfhelp 困ったときに読んでみて』(愛育社刊)を上梓。
2003年、國學院大學神道文化学部入学。専攻は神道と宗教学とスピリチュアリティ。同年米国のヒーリング単科大学BBSH(Barbara Brennan School Of Healing)入学。
2007年3月國學院大學卒業。神職資格授与。6月BBSH卒業。
現在は記者活動と、高知県の権禰宜を務めている。

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