今回の韓ナビ! では’08年上半期の韓国での最高視聴率ベスト10(視聴率調査会社『AGBメディア・リサーチ』調べ)を発表&高視聴率作品を中心に、’08年下半期、日本でも大ブレイク必至の新STAR5人を探ります!
まず10位は、『アヒョン洞の奥様』。主人公の40代の独身キャリア・ウーマンと、12歳年下の部下との恋愛を中心に描いた作品。職場はソウル地検で、2人とも検事。
「主人公は貧しい育ち。苦学して現在の地位を築いた努力家です。一方、男性はお坊ちゃん。アヒョン洞とは、ソウルの高級住宅街の地名で、彼の実家なんです」
と解説するのは、韓流ライターの高橋尚子さん。韓国でも“アラフォー”が人気だ。
9位は『幸せです』。平凡な男性サラリーマンが、同僚の女性と恋に落ちる作品。
「同僚の女性は社長令嬢という『アヒョン洞~』とは逆パターン。格差恋愛は、韓流ドラマの定番です」(高橋さん)
10位、9位に続き、8位も恋愛ドラマで『君は僕の運命』。
「各世代の恋愛の悩みが描かれているので、幅広い視聴者に人気でした」(高橋さん)
7位はホームドラマの『ママが怒った』。
「“韓国の橋田壽賀子”と呼ばれるヒットメーカーのキム・スヒョンが脚本。『彼女が手がけた作品は、ヒットしないほうがおかしい』と放映前から話題でした」(高橋さん)
6位は、夫に浮気された40代の主婦が主人公の『糟糠(そうこう)の妻クラブ』。ドロドロ系ではないが、不倫がテーマだ。
5位は、三流の新設医科大大出身の医者が、場違いな名門医大で情熱に燃える姿を描いた『ニューハート』。主演は除隊後の復帰作となったチソン(31)。今作のおかげで、華麗なる復活を遂げた。
「韓国版『白い巨塔』、『外科医ボンダルヒ』に続き、医療ドラマの流れを固めた作品です。医療に限らず、職業ドラマの時代がきています。テレビ局の内情を描いたパク・ヨンハ(30)の『オンエアー』もその流れ」(高橋さん)
4位は『黄金の新婦』。韓国&ベトナムのハーフの女性と、1千500万ウォン(約150万円)で見合い結婚するという、現在の韓国の社会を反映したホームドラマ。社会派の一面もあるが、本筋は夫婦のラブラブの新婚生活。女性視聴者は「こんな生活をしてみたい」とれを抱いて見ていた。
3位はランキング中、唯一の歴史大作『イサン-正祖大王』。すでに、日本でもブレイク中のイ・ソジン(35)が主演。やはり、歴史作は手堅いよう。
2位は『ヨメ全盛時代』。世間知らずの花嫁が、『豚足屋』に嫁入り。嫁、姑、祖母の3世代の女性を中心に家族模様を描いたドタバタ劇。
「これも『渡る世間は鬼ばかり』に近い感じの作品。家族ドラマは安心して見られるコンテンツですね」(高橋さん)
堂々の1位は、最高視聴率39・7%を獲得した『憎くても可愛くても』。母親のお金を勝手に投資して失敗した無職のダメ息子が主人公。彼の家族を中心としたホームドラマだ。
韓国では、毎週月~木曜または金曜午後10時ごろの帯で、放映されるドラマを、『日々(イルイル)ドラマ』と呼ぶ。
「月9のように、『日々ドラマ』への出演が俳優にとってのステータス。週末ドラマなどで人気になって出演する流れが多いですね」(高橋さん)
こうしてみると、ほとんどの作品に、家族模様が描かれている。韓流STARが“家族”を大切にするのも納得。
そこで、日本でも今年下半期にブレイクしそうな新STAR5人を選出!
まずは4位『黄金の新婦』で、ハーフの女性と結婚したソン・チャンウィ(29)。
「パッと見は地味ですが、ミュージカル出身で演技力もピカイチ」
と高橋さんも高く評価する。
「腕枕、オデコにキス、水色とピンクのおいのパジャマなど、こそばゆいような新婚夫婦の生活が描かれています。
『こんな旦那さんと結婚したい』という、女性にとって萌え~的な作品です」
新作は、8月1日スタートのSBSドラマ『神の秤』。初の公式来日が待ち遠しい。
2位の『ヨメ全盛時代』のキム・ジフン(27)も大ブレイク候補。同作放映終了後も、間髪を入れずドラマ『なんでうちに来たの?』に出演。化粧品やスーツなどCM業界からも引っ張りだこ。
1位『憎くても可愛くても』のキム・ジソク(27)は、バラエティ番組にも積極的に出演している。
「コミカルなお笑い系になりつつあり、憎めないタイプ。親しみやすいキャラで人気を集めています」(高橋さん)
平均視聴率19・7%と上半期12位を記録したイ・ジュンギ主演の『一枝梅(イルジメ)』。今年末に別のテレビ局ながら同名ドラマの主演がすでに決まっているチョン・イル(20)も注目株。監督は、新人発掘で有名な『宮(クン)』も手がけたファン・インレ氏だ。
「イルは『思いっきりハイキック』でブレイク。韓国ではすでに10代、20代のスターですよ。人気のバロメーターとされるケータイCMへも出演しました」(高橋さん)
視聴率的にはランク外だが、複数の韓国テレビ局関係者が推すのが『快刀 洪吉童(ホルギルドン) 』のカン・ジファン(31)。最高視聴率40・1%をとった『がんばれ! クムスン』(’05年)に出演して脚光を浴びた。
「視聴率1ケタ台で苦戦が続いていたKBS水木ミニドラマ枠を初回放送で15%に押し上げた実力は高く評価されています」(韓国テレビ関係者)
今夏ジファンは日本公式ファンクラブを設立し、9月には来日ファン集会も決まっている。前出・高橋さんは言う。
「次に日本でブレイクする俳優候補のトップクラスです。『~クムスン』でもそうだったように彼は、ツンデレ・キャラが得意。ファン集会を取材して思ったんですが、エンタティナーとしては韓国で1、2位を争います。一見、クラスの人気者といったイメージですが、インタビューしてみたときは、ナイーブなんだなあという印象でした。そのギャップがいいのかも」
次回作はソ・ジソブとW主演の映画『映画は映画だ』(韓国で9月公開予定)に決まっている。“韓ドラ新王子”5人の今後の飛躍に期待大!