巨大な市場を狙って次々に中国へ進出する韓流アーティストたちが、思わぬ落とし穴の被害に遭っている。
3月26日に中国・上海で行われた『2016 K-FRIENDS CONCERT with EXO』にトップアイドルグループEXOが出演。事前に公開されていた情報では夜7時30から10時30分まで公演時間は約3時間、そのうちEXOは完全体の9人で10曲以上を披露するはずだった。
しかし、当日は中国人メンバーのレイが欠席。披露されたのは6曲のみで、公演は夜9時前には終了したという。中国最大のソーシャルメディア・Weiboに寄せられたファンたちの怒りの投稿から中国のイベント事業のずさんな実態が明らかになった。
アーティスト分の航空券と宿泊するホテルは用意されていたものの、そのほかは未手配だったというのだ。ファンによると、衣装をかけるラックや鏡、アイロンなどをファンが実費で用意。しかし、会場内で着替える場所がなく、メンバーは滞在したホテルで着替えるしかなかった。ヘアメイクもいなかったのか、ほとんどメイクをしていない状態だったという。
それでもEXOはファンのためにパフォーマンスを披露したが、メンバーがコメントをしている途中で次の曲が流れ出したり、マイクの電源が入らないなどトラブルが連発した。さらに、会場のセキュリティースタッフがファンやアーティストを侮辱する発言をしたという声も後を絶たない。
同公演のチケットの定価は日本円にして、1枚約17,000円。人気アイドルが出演するということで、チケットは高騰し、日本の代行業者では約3万円~4万円代で取引されていた。決して安くない価格に、終演後の会場では詐欺だと払い戻しを要求する声が響いた。
中国メディアの新浪によると、今回の公演にはSMエンターテインメントと主催者のほかに中・韓の仲介会社が関わっており、その2社と現在、連絡が取れない状況だという。主催者側とチケット販売会社が払い戻しを発表したそうだが、一連の騒動で中国市場の危険性が浮き彫りになる結果となった。
(写真/TVreport)