横浜市は30日、2017年度の児童虐待への対応件数が前年度比533件増の6796件で過去最多だったと発表した。このうち4割超が心理的な虐待。実母による虐待が最多で全体の半数以上を占めた。市は増加の背景を「市民の関心の高まりや、関係機関へ早期につながっていることの表れ。事態の深刻化を防ぐため、引き続き啓発に努めたい」と話している。
区役所と児童相談所が、児童虐待(疑いを含む)に関する通告・相談に対応した件数をまとめた。市によると、13年度4592件、14年度4633件、15年度5470件、16年度6263件と拡大傾向にある。
17年度の内訳は心理的虐待が最も多く44・4%。身体的虐待とネグレクト(育児放棄)がともに27・3%で続いた。年齢別では0~6歳までの未就学児の割合が最多の50・6%で、7~12歳31・4%、13~15歳11・9%の順。低年齢児への虐待は、乳幼児健診などをきっかけに判明するケースが多いという。
虐待しているのは実母が最も多く55・3%で、実父38・4%、実父以外の父3・5%と続いた。
近年、警察などからの通告で虐待が発覚するケースが増加。児童相談所に限ってみると、半数以上が警察からの通告だった。夫婦げんかを目撃した家庭の子どもに心理的虐待の疑いがあると近隣住民が警察に相談し、警察から児相へ通告するケースも多いといい、市は「警察と児相の連携が進んだ結果」と説明。早期に芽を摘むため啓発に注力し、虐待への理解を広めていく方針。
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