朝鮮半島の平和を予感させる4月27日の南北会談以降、大きな注目を集める北朝鮮。しかし、これまでの報道は政治的な話題一色で、一般市民の生活は謎が多い。
そこで、女性の関心が高い「グルメ」に焦点をしぼり、本誌が徹底解剖!
グルメについて教えてくれるのは、北朝鮮でグルメ旅を楽しんだこともあるコリアン・フード・コラムニストの八田靖史さん。
■平壌高麗ホテルの“平壌冷麺”は別次元のおいしさ!
南北会談で供されたのは平壌の名店「玉流館」のものだが、八田さんイチオシは高麗ホテルの冷麺。
「スープは肉のうま味が濃く、キリッとした仕上がり。韓国で食べる冷麺とは別次元のおいしさ」(八田さん・以下同)
■咸興にはバリエ豊かな“じゃがいもフルコース”がある!
日本海に面した咸興の特産品はじゃがいも。チヂミから寒天までじゃがいもづくし料理が楽しめる。
「印象的だったのはカステラ。ほんのりじゃがいもの風味を感じる上品な味で小麦のカステラと遜色ない出来に驚きました」
■市販の“スナック菓子”は安心安全、素朴で優しい味!
北朝鮮製のスナック菓子は、添加物が使われていないものがほとんど。
「ヒマワリの種入りクッキーの原材料は、小麦粉、砂糖、ミルクパウダー、ヒマワリの種、卵、油と、家庭の手作り菓子とほぼ変わりません」
そして、八田さんはこう語る。
「同じ朝鮮半島でも韓国にはない料理、異なる食文化があり驚きの連続でした。たとえば、平壌冷麺と並んで有名な咸興冷麺は、じゃがいものでんぷん100%の麺が特徴で、かみ切るのが大変なほどコシが強い。韓国ならハサミで麺を切ったりしますが、北朝鮮では『縁を切るから縁起が悪い』と言って、ハサミは使いません」
高麗王朝の首都として栄えた開城では、宮中料理がルーツのコース料理「飯床器」が有名。高麗人参の蜜漬けやヤッパプという甘いおこわなど地域の料理が並ぶ。
「朝鮮半島の甘味の歴史は高麗王朝時代の開城で花開きました。ヤッパプもその当時の流行料理。これも、古都を擁する北朝鮮でこそ味わいたいスペシャル料理です」