子育てなどもとっくに終わり、代わり映えしない日常で……なんてもったいない! いまだからこそ、あなた自身の人生を取り戻すべき。「人生100時代」を楽しみ尽くすための、「学び直し」という選択。彼女たちの一念発起を見習って、豊かな後半生を楽しもう!
「母は60歳のときに習字を習い始めたんです。いま83歳で人に教えるほどの腕になりました。いくつになってからでも学ぶって大切ですね。私が50歳の手前で大学院に行き始めたのも、母の影響があると思います」
ハイヒールリンゴさん(56)は関西で22年続く情報番組『あさパラ!』(読売テレビ)の司会を務める。
「前身はバラエティ番組でした。プロデューサーから『どんな番組をやりたい?』と聞かれ、『ニュースをしたい』と即答しました。当時、司会業といえば男性ばかり。隙間を狙って仕事をしていかなくては、と考えてのことでした。でも、いざ番組が始まってみると、自分の発言に自信が持てなくて、渡された資料を読んでいても、『これで合っているんだろうか』と悩むようになってきたんです」
そんなとき、番組で出会った大阪学院大学大学院教授の國定浩一先生の聴講生として、授業に参加させてもらうことに。
國定先生の「金融論」の授業は、“生きた経済学”を学ぶクラス。たとえば、「いまの株価が、世界の経済や政治にどういうインパクトを与え、それが自分たちの生活にどう関わってくるのか」といったことを学ぶ。
「それまで私は、“世界は政治で動いている”と思っていたんですけれど、実は世界は経済で動いていることを知りました。そんなレベルでしたから、目からうろこでした」
週に1回聴講に通う生活も、いつしか5年がたち、「名誉博士号を授与したい」というオファーが来る。
「大学院から『ぜひに』と言っていただき、うれしかったです。家に賞状を飾っていますが、見るたびにニマーッとしてしまいますね。称号をもらったことで、自分の発言にも自信がついたと思います」