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「私たちスタッフは“大くん”、入所者の方々は“宮園さん”と呼んでいました。『宮園さん、そんなに長い時間走れるのかな?』とちょっと心配している入所者さんもいます」と語るのは、池田輝子さん。彼女は『社会福祉法人リード・エー』が運営する『葦の会作業所』の施設長を務めている。お笑いコンビ「ANZEN漫才」のみやぞん(33、本名・宮園大耕)は、この葦の会作業所で8年にわたって職員として働いていたのだ。

 

8月25日、26日に放送される日本テレビ系『24時間テレビ41』のチャリティーランナーに選ばれたみやぞん。元高校球児であり、ずば抜けた身体能力を評価されての抜擢だが、前出の池田さんは、ちょっぴり意外に感じたという。

 

「だって、私たちの知っている大くんは、とってもおとなしい性格の人でしたから……」

 

葦の会作業所は、おもに知的障害のある人たちのための福祉サービス事業所。園芸・生花販売・木工などの作業を通じて、彼らが個性や能力を発揮できるように支援しているという。『24時間テレビ』を通じて集まった寄付は福祉などに使われているというが、みやぞんは昔から“福祉”に縁があったのだ。施設長・池田さんが続ける。

 

「大くんがこちらで働き始めたのは’08年10月、彼が23歳のころでした。彼は正規の職員で基本給に諸手当てがついて、月給は25~26万円ぐらいだったでしょうか。メンタルは意外に弱いのか、入ったころは、よく高熱を出したり、腹痛を起こしたりで、仕事を休むこともありました。でも仕事となると、集中力が高いのでしょう、静かに淡々とこなしていましたね」

 

みやぞんの仕事は、パソコンでの記録入力といった事務作業から、会報の作成、入所者の送迎のためのワゴン車の運転など多岐にわたっていたという。今年3月に出演したクイズ番組では、世界の珍しい花に関するクイズに次々と正解し、共演者たちをうならせていたが、昔から花のことになるとテンションが高くなったという。

 

「葦の会作業所では、園芸場で栽培した花をイベントなどで販売しています。大くんは、花の販売が天才的に上手でした。愛想もいいし、声もよく通るから、おじいちゃんやおばあちゃんが、どんどん花を買ってくれるんです。それどころか、お客さん宅の庭の剪定の依頼もまとめてしまうこともありました」

 

昔から“頑張り屋”だったという、みやぞん。

 

「最近テレビ番組で、スイーツを食べて、その感想を笑顔で話しているのを見て驚きました。大くんは甘いものが苦手で、職場に頂きものがあっても絶対に手をつけなかったのです。それがスイーツの“食レポ”ですからね。みんなびっくりしていました」

 

努力が実り、芸能界での仕事が増えていったことで、’13年からはパート勤務に。彼が最後に作業所に最後に現れたのは、’16年秋だったという。

 

「8年間も頑張ってくれたのですから、スタッフも入所者さんたちも、みんな彼をいまでも応援しているんです」

 

作業所で培った“奉仕の精神”を胸に、みやぞんは今夏、力走を見せてくれることだろう。

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