「『オペラ座の怪人』は’80年代に舞台で初めて上演され、当時の最高技術を駆使した意表を突く演出で世間を驚かせました。’02年に映画化されてから10数年たった現在もなお、舞台、映画ともにミュージカル作品の最高峰に立つのも、その革新的な演出方法にあると僕は思います」
こう語るのは、俳優の石丸幹二(53)。’90年に劇団四季『オペラ座の怪人』でデビュー。’07年に退団後は映像分野でも活躍する。
『マンマ・ミーア』の10年ぶりとなる続編『マンマ・ミーア ヒア・ウィー・ゴー』(全国公開中)が早くも大ヒット♪ 近年、ミュージカル映画の成功ぶりが目覚ましいが、舞台とは違う魅力とは?
「映画と舞台の違いを挙げると、舞台はオーケストラピットに入る人数も、役者の人数も限りがありますが、映画はフルオーケストラで100人もの編成で音を出すことが可能。なおかつ、役者の数にも制限がないためダイナミックな群舞を見せられるという点も映画ならではの魅力ですね」(石丸・以下同)
そんな、ミュージカルを知り尽くした石丸がミュージカルの素晴らしさを満喫できる、おすすめ作品を紹介してくれた。
■『ウエスト・サイド物語』
石丸が“ベスト・オブ・ミュージカル”に選んだ作品がこれ! 2つの若者グループの抗争と悲恋の物語。
「舞台でトニー役を演じたときはレナード・バーンスタインの名曲を歌えることが何よりもうれしかった。後世に残る名作です」
■『サウンド・オブ・ミュージック』
ジュリー・アンドリュース主演のハリウッド大作。修道女見習いの家庭教師が、母親を亡くした一家と音楽で絆を深める作品。
「『ドレミの歌』や『エーデルワイス』など誰もが知る楽曲の数々。戦時下の悲劇も描かれた名作です。子どもたちをまとめる女性の強さは男性にはないもので、描き方も秀逸!」
■『ロシュフォールの恋人たち』
理想の人との出会いを夢見る若者たちの恋の物語。
「『シェルブールの雨傘』のミシェル・ルグランの曲がロマンチックで、双子の姉妹役を演じるカトリーヌ・ドヌーヴと彼女の実姉の歌声にキュンとした(笑)。ジーン・ケリー、ジョージ・チャキリスらの群舞は見ごたえ十分!」
■『ノートルダムの鐘』
容姿は醜いが純粋で優しい青年の物語。
「教会の尖塔に住み、下界を知らない鐘つきの主人公カジモドがピュアな心の持ち主として描かれていて、メッセージ性の強い作品。『美女と野獣』など、ディズニー映画を代表する作曲家、アラン・メンケンの楽曲が素晴らしい」