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「以前なら、こんなロケは絶対できなかったですね。20年くらい前は、『電波少年』という番組の影響で“出川狩り”がはやっていて、毎晩チーマーが家に来たり、ホント“地獄”でした。昔だったら、バイクで追いかけられて、『コラ~』『殺すぞ』となるところなんだけど、いまは怖そうな人もみんな『出川さん、写真撮ってください』『頑張ってください』と、ちゃんと敬語で応援してくれて(笑)。本当に扱いが変わりましたね」

 

そう語るのは出川哲朗(54)だ。電動バイクに乗った出川が、充電を頼みながら、全国を巡る『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』(テレビ東京系・土曜19時54分~)。初の冠ゴールデンとなるこの番組は、7月に明石家さんま(63)がゲストとして登場した回の視聴率が13.2%を記録するなど、大人気なのだ。

 

現在、花王の「エッセンシャル」や「ベビースター」はじめ11社のCMに出演するなど、引っ張りだこの出川。はたして人気の秘密はなんなのか?それを確かめに9月8日放送分の『充電させてもらえませんか?』山形・秋田ロケに密着した。

 

8月のある朝、山形県鶴岡市。米どころ庄内平野の青々とした水田に、番組おなじみのオーバーオールとスイカのヘルメット姿の出川が現れた。ここが2泊3日の旅の出発点だ。

 

走りだすとすぐに沿道の女性たちから「出川さーん、行ってらっしゃい」と黄色い声援を受ける。それに笑顔で応える出川。道中、立ち寄った湯田川温泉で山形名物のだだちゃ豆を振る舞われると、「冷たくておいしい~。じゃあみんなで写真撮りましょう」と、自ら記念撮影を提案する。

 

出川といえば、’01~’05年に雑誌『anan』の「嫌いな男」アンケートで5年連続1位となり、殿堂入りを果たすなど、好感度のない男の代名詞だったはずだが……。

 

「素直にうれしいですね。でも、昔とやっていることは何も変わってない。すごくありがたいですけど、世間は勝手ですね(笑)」

 

快調にバイクを飛ばしてきたが、出発から2時間を過ぎたあたりで、電池が切れて、バイクを押して歩くことに。自転車が追い抜きざまに「出川さん、頑張って~」と声をかけてきた。

 

「自転車のお父さんに抜かれちゃったよ」

 

車から握手を求めて降りてきた人に、充電させてくれそうな近くの店を尋ねてみるが。

 

「ええ~1キロ何もないの。勘弁してよ~」と、ガックリ肩を落とし、バイクを再び押し始める。充電場所や宿探しもいきあたりばったりの旅。つらいことも多い。

 

「いちばんきついのは雨。特に冬の雨は地獄です。千葉のロケで、夜中に土砂降りの中を1時間走ったのは忘れられないですね。宿泊の交渉は、最後の最後で奇跡的に逆転ホームランを打ってきたので、自信はあるんです。上島竜兵さんがゲストだった金沢の回では、大きなお祭りと重なって宿探しが大変でした。夕方から探して探して、やっと夜9時くらいに空いているホテルが見つかりました。その旅のゴールは、バイクで砂浜を走れる千里浜なぎさドライブウェイ(石川県)。夕日を見ながら上島さんと一緒に海岸を走っていると、ジーンと感動しました」

 

真夏の日差しの中、バイクを押すこと約20分、ようやく大川商店という食堂に到着。充電させてもらいながら、お昼休憩となった。店に来ていた外国人の青年に「デガワテツロウ、ファンですよ」と声をかけられ、記念撮影をする。

 

充電している間に行った羽黒山・出羽神社の参道でも、つぎつぎと声をかけられた。「今まで撮影したところ、御朱印もらってるの」と御朱印帳に記帳してもらって、出川はご満悦だった。

 

充電を終え、「行ってきます」とふたたび出発を見送ったところで、本誌の密着取材は終了した。

 

ともにバイクを走らせてきたディレクターの土方教裕さんは、出川哲朗が愛される理由をこう語る。

 

「一緒に『充電』旅をしていて感じるのは、出川さんが人を大切にすることです。写真と握手を頼まれても絶対に断らない。予定が押していても、ニコニコして嫌な顔を見たことがない。雨や雪、酷暑のロケでも、『地獄だ』と文句は言いながらも、決してあきらめない力があるんです」

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