庭園造りに取り組む参加者ら=沖縄県石垣市白保 画像を見る

持続可能な魅力ある地域づくりを目指し、ハーブ、島野菜などを住民が無農薬で栽培できる庭園を造ろうというプロジェクトが沖縄県の石垣市白保で始まっている。自然と農業・生活の共存できる場をつくることで、観光地としての付加価値や住民生活の質の向上につなげたい考えだ。1月28、29の両日には地元住民ら約20人が参加し、“食べられる”庭園造りに取り組んだ。

 

プロジェクトは「パーマカルチャー」という、持続可能な農業や暮らしを目指し建造物やシステムのデザインを設計するという概念を基に企画された。欧米では認知度が高いが、国内ではあまり浸透していないという。

 

新たな農家民宿とグリーン・ツーリズムの形を模索する県の公募事業を、白保の地域活性化のために活動するNPO法人夏花が受託。昨年10月から始まった2回の講習を経て、今回の庭園造りに取り組んだ。

 

庭園の場所は、しらほサンゴ村に隣接する約300平方メートルの空き地。参加者らは土を耕したり、石垣を並べたりするなどして、少量多品種が栽培できる庭園造りに汗を流した。

 

パーマカルチャーデザイナーで、講師を務めた大村淳さん(38)によると、庭園内の配置には自然に生じる水の流れを栽培に活用できるような工夫も凝らされているという。

 

夏花の吉岡和弘さん(61)は「今回は試験的な取り組みだが、今後はここで採れた野菜をオーガニックレストランに卸すことなども考えられる。石垣島、八重山全体に広がれば、観光客へも一ランク上のツアーを展開できる」と今後の展望を語った。

 

白保で民宿を営む奥谷麻依子さん(45)は「子どもたちに環境をどう引き継げるかと考えて参加した。収穫もでき、のんびりもでき、人とも会える、みんなの憩いの場所になってほしい」と笑顔を見せた。

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