西島秀俊(48)と内野聖陽(50)のダブル主演『きのう何食べた?』(テレビ東京系)の第11話が6月21日に放送された。几帳面・倹約家の弁護士・筧史朗(通称・シロさん)と人当たりの良い美容師・矢吹賢二(通称・ケンジ)が2LDKのアパートで暮らす日々を描いたドラマ。
帰省したシロさんだが、将来について口うるさい母(梶芽衣子)がやけに優しい。すると、意を決した母から「あなたたちは結婚してるも同然なんだから、家族に引き合わせるのは当然」とケンジを正月に実家へ連れてくるよう言われ、困惑する。そんななか、小日向(山本耕史)とジルベールこと航(磯村勇斗)を招いて開催したクリスマスパーティでシロさんは……というのが第11話のあらすじ。
航から年越しパーティーを誘われるが、シロさんは「正月はケンジを連れて俺の実家に帰ろうと思ってるんで」と断る。まさかの告白に驚くケンジ。しかし、航は「息子がゲイだってことでショックなのに、その上髭の生えた恋人なんてリアルに見ちゃったら親にとってはダブルショックじゃん……下手したら余計ゲイなんて気持ち悪いって実感持たれるよ。どうしたってゲイの偏見がなくなるわけでもないだろうしさ……」と現実を突きつける。すると、シロさんはゆっくりとこう語り始める。
「俺、ずっと考えてたんだよね。両親は……。俺がゲイだとわかったとき最初にどう思ったんだろうって。で、こう思った。きっと両親は俺がゲイだとわかったとき俺のことかわいそうな子だって思ったって。次に俺がこんなふうになってしまったのは、『私たちの育て方が悪かったんじゃないか……』って自分を責めたかもしれない。だから。だからさ……。ゲイの何たるかを知ってほしいってことじゃなくて、少なくとも今俺が、両親が思っているよりも不幸じゃないんだってことをわかってほしくて、ケンジをうちに連れて帰ろうと思ったんだ」
料理仲間の富永(田中美佐子)や弁護士事務所所長の上町(高泉淳子)らと話し、親心に触れたシロさんの決意。これまでずっと冷静だったシロさんだが、言葉に詰まりながら涙を流す姿にはゲイとしての葛藤や両親への思いが込められていたのではないだろうか。ネット上でも西島の名演技にもらい泣きする人が続出。
《シロさんを演じる西島さんが、歳をとっている加減がいい。親の想いも自分の行く末もだんだん分かるようになり一緒に暮らす相手とのことも自分の親のことも大切にしているところ。男も女もなく人間としてとてもいい》
《シロさん、というか西島さんの泣きの演技が凄かった……。嗚咽を我慢しながらなんとか自分の心の中にあった気持ちを必死に言葉にしようとするシロさんをみて、私も泣いてしまった》
次回はいよいよ最終回。シロさんは、ケンジを連れて実家へ帰ることに。ふたりがつくる愛のかたちとは? どのような結末が待っているのか楽しみでならない。