試合開始前に選手らと円陣を組む石川の東佳奈子監督(中央)=30日、沖縄市のコザしんきんスタジアム(喜瀨守昭撮影) 画像を見る

 

「落ち着いていくよー」「ナイスピッチング」―。沖縄市のコザしんきんスタジアムの1回戦でひときわ大きな声を響かせていたのは4月に就任した石川の東佳奈子監督(42)だ。県内高校の硬式野球部の監督を女性が務めるのは史上初だ。率いるのは夏の大会が終わるまで。選手たちと少しでも長く野球がしたいと、きょうもノックバットを握る。

 

「選手より緊張していた」と言うが、初回から采配が的中する。好機と見るやスクイズを指示。「とにかく1点」との方針を貫き先制し、完封で逃げ切った。

 

沖縄水産が夏の甲子園で連続準優勝を果たしたのが中学時代。県勢の大活躍で高校野球のとりこに。それ以来「ずっと高校野球に関わってみたかった」。

 

北山にいた2014年、野球部の部長に就いた。競技経験はないがノックの腕を磨き、ユニホームを着て共に汗を流した。昨春の石川への転勤後も部長を続けた。

 

3月の春季大会敗退後、異動する天願恒・前監督(53)に「あとはお願いします」と託された。「先生でいい?」と聞くと、反対する生徒はいなかった。

 

「ノックは男性に負けていない」(山田達樹主将)と信頼も厚い。監督を引き継ぐ予定の伊波大吾部長(35)も「女性とか関係なく、選手を支える上では沖縄一」と太鼓判を押す。

 

自身も「女性だからとかは気にしていない」。今後の試合に向け「生徒は高校野球人生の最後の大会の指揮を自分に預けてくれた。力を発揮させたい」と言葉に力を込める。監督として「最初で最後の夏」は、まだ始まったばかりだ。

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