参院選を巡る地元紙報道についての見解を語る自民党県連の中川京貴会長(右)と島袋大幹事長=1日、県議会 画像を見る

 

7月に参院選沖縄選挙区を巡る沖縄タイムスの報道に抗議する記者会見を開いた自民党県連は1日、これまでの対応から一転して琉球新報にも抗議することを決めた。さらに、報道各社に対して「原則」記名報道することを要請し、所属県議にはメディアの取材に対して責任を持った発言を心掛けるよう呼び掛けた。同日の議員総会で中川京貴会長ら執行部が報告した。

 

中川会長ら県連幹部はこれまで本紙に対しては「抗議していない」と説明していたが、地元2紙に抗議したと報じた朝日新聞には「新報にも抗議している」と異なる見解を示していたこともあり、執行部内で県連の方針を統一した。

 

参院選を巡って自民県連は7月24日、報道各社に「沖縄タイムス記事について」と銘打った記者会見を開いた。会見では、タイムスが23日付で掲載した自民党が擁立した安里繁信氏の選対や県連の組織態勢、選挙戦の舞台裏を書いた連載記事について言及した。記事中に匿名の県連幹部の発言として「公認を取り消してもいいんじゃないか」との部分を取り上げ「(県連として)公認取り消しについて協議した事実はない」などと反論した。ただ、発言内容については否定していない。

 

本紙も23日付の連載記事の中で、安里氏の公認に関して、「県連関係者」の話として同様の発言があったことを紹介した。県連が米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を容認する中、安里氏が政策発表の場で「口が裂けても推進、容認とは言えない」などと発言したことに県連内の一部から不満が噴出した経緯を書いた記事で、掲載当日は本紙に対し選対や自民から抗議はなかった。

 

ただ、沖縄タイムスの記事について開催した24日の会見で中川会長が「両紙に抗議する」と発言。会見後、本紙が会長自身を含め複数の県連幹部に確認したところ、「琉球新報には抗議していない」と説明していた。

 

1日の議員総会終了後、本紙への対応が二転三転したことなど各社から発言の整合性などを問われ、島袋大幹事長は「会見の冒頭に(会長が)地元紙2紙に対する『抗議』という言葉は使った。発言について訂正はしないが、報道の在り方について考えてほしいという意味だ」と話した。その上で「会見は抗議ではなく要請の場だった」とした。1日現在、県連から本紙に対して正式な抗議や訂正を求める文書は来ていない。

 

議員総会は参院選後初で、国会議員を除く県議や事務局長らが出席し、執行部から各県議に対して参院選の総括に向け市町村議員などの意見も反映するよう求めた。

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