天皇陛下が自らの即位を国内外に正式に宣言する「即位の礼」が10月22日に迫り、準備も大詰めを迎えている。
9月18日には皇位継承に関する式典委員会が開かれ、儀式の細目が政府に了承された。安倍首相は、誇らしげに報告した。
「儀式に参列するため、平成を上回る190以上の国や国際機関の代表の方々の来日が予想されています。儀式が円滑に、また厳粛に行われるよう、政府一丸となって全力を尽くしてまいります」
皇室のパレードは、陛下と雅子さまのご成婚以来26年ぶり。今回のパレードは皇居・宮殿を出発し、赤坂御所までの全長約4.7キロを30分ほどかけて走行する。
トヨタの高級車「センチュリー」をオープンカーに改造した車両が使用され、式典後に東京と京都の迎賓館で一般展示することも決まった。
「’90年の上皇陛下の即位を祝うパレードには11万7千人、’93年の両陛下のご成婚パレードには19万人が集まりました。今回も大勢の人が沿道に集まり、華やかな祝賀ムードに包まれるでしょう」(皇室担当記者)
しかし、この日の雅子さまは驚くべきハードスケジュールなのだという。元宮内庁職員で皇室ジャーナリストの山下晋司さんはこう語る。
「お召し替えなどを含めると、ほとんどお休みもとれない忙しさで儀式行事が続きます。内容を簡略化するのは難しいでしょうから、皇后陛下のご負担はかなり大きいものになります」
平成の「即位の礼」の日、上皇陛下と美智子さまは儀式の準備が間に合うように、早朝5時に起床されていたほど。今回も平成に準じたタイムテーブルになる予定のため、雅子さまも、午前5時から午後11時まで18時間にわたり大役を担われることになる。
ハードスケジュール以外にも、雅子さまを“試練”が待ち受ける。ご療養に入られてから、雅子さまはほとんど宮中祭祀に出席されなくなった。
「宮中祭祀に臨む際には、決められた手順と方法に従って、全身を洗い清める『潔斎』という所作があります。そして古式にのっとりおおすべらかしを結い、非常に重い装束を身にまとって祭祀に臨まれます。肉体的な消耗がとても大きいのです」(前出・皇室担当記者)
ただ、雅子さまは今年5月8日にも宮中祭祀に臨まれている。「即位の礼」と「大嘗祭」の期日を、陛下が宮中三殿に報告する宮中祭祀「期日奉告の儀」で、雅子さまも殿上で拝礼されたのだ。
「雅子さまが賢所、皇霊殿、神殿の3つに参拝されたのは’02年12月以来のことでした。御代替わり後は、過密なご公務にも休むことなく出席されています。10月22日の即位の礼も、心配はいらないのではないでしょうか」(皇室ジャーナリスト)