過去のコンビを解散しお互いがピン芸人だったころに出会い、お笑いコンテスト「Mー1グランプリ」に出場する目的でコンビを組んだという、りんたろー。さん(左)と兼近大樹さん。今やテレビ番組に引っ張りだこの人気コンビ! 画像を見る

 

人気爆発中! チャラ漫才コンビとしてバラエティー番組やライブ会場を沸かしている、EXIT(いぐじぃっと)の2人。自らを「ネオ渋谷系」とジャンル分けし、渋谷にいそうな(!?)チャラチャラした男子の話し言葉や風貌で漫才を繰り広げています。一方で現代語と古語を絶妙にミックスした言葉使いのセンスの良さ。りんたろー。さんは介護施設で、兼近さんはベビーシッターとしてのアルバイト経験がある真面目な青年、という見た目と素のキャラクターのギャップも魅力です。沖縄でも、チャラ男ならではのエピソードなどあるのでしょうか?

 

聞き手:饒波貴子(フリーライター)

 

目指すはジェネレーションギャップのすり合わせ

 

―大人気のEXITさん! 最近の一番の話題は全国7カ所を回るライブ、「JAPANツアー」開催でしょうか?

 

兼近:そうですね。沖縄は7月に終わりましたが、発売と同時にすぐ売り切れてありがたかったです。5月に始めたツアーですが、9月27日の東京「ルミネtheよしもと」が最後の開催地です。

 

りんたろー。:たくさんのみなさんが来てくださって、本当にありがたいです。各地100席ちょっとくらいの会場を押さえましたが、でもチケット発売したらどこも1000オーバーくらい申し込みが来ちゃって。予想していなかったのでビックリです! 100人くらいのお客さまを入れるのがやっとだろうって周りの誰もが思っていましたし、チケットは手売りもしなきゃな~って2人で話していたんですよ。

 

兼近:「お笑いやるぜ!」みたいな気合いが入ったコンビじゃないんで(笑)、いろんなところに行けて楽しいな~みたいな感じで、各地を回っている感覚です。みなさんに会いながら楽しんでいます。

 

―テレビでよく見ますが、人気を実感していますか?

 

兼近:突然なんでね~。きっかけがあり過ぎて・・・毎日の積み重ねが広がっていったと思っています。

 

りんたろー。:いろんなスピードでいろんな事が進んでいます。誰も対応できてないというか、自分たち自身もこのスピードに対応できてないというか。ありがたく思っています。でも誰かは怒られているでしょうね(笑)。お金をいっぱい生み出せるポイントも、明らかにミスっていそうです(笑)。

 

―沖縄に来ると、朝はライカムのイベントに出演して、沖縄花月で3回舞台に立ち、夜は単独ライブ開催というパターンがあったEXITさん。沖縄花月では女子の歓声が多いと感じ、さすがでした!

 

りんたろー。:単独ライブの前に4回舞台に立つなんて、普通はありえないですよ。声つぶしちゃうから、そんなに舞台に立たない(笑)。だから応援してくださる沖縄のみなさんへの恩返し、という気持ちもあったんですよ。

 

兼近:普段東京ではライブは少なくて、ロケとかスタジオ収録などテレビのお仕事が多いです。沖縄のみなさんに応援していただくのはうれしいですよ。女子というより僕らを応援しているのは若い子は少なくて、意外と40歳超えた主婦の方が多いんですよ。テレビを見て知ってくださったんでしょうね。最近はYouTube始めて、やっと若い子が注目してくれていると実感するようになりました。

 

―びっくりです! チャラチャラしたキャラクターなので、若い世代に向けてのアピールだと思っていました。

 

兼近:もちろん僕らより若い方たちも応援してくれていますが、どちらかというと違っていて、番組などで見てくださっているのは、年上の世代だったりするんですよ。ネタを書いているのはりんたろー。さんですけど、僕・兼近が古語や高齢化社会について話題にしようとかアイデアを出し、そういうテイストを大事にしています。政治の話題を少し入れたネタをやる場合は、若い世代が政治に興味を持つんじゃないかなと考えますし。「EXITが言っていたこれってどういう意味だろう?」って気にして調べてくれたら、こっちの勝ちですよ(笑)。自分たちより年上の方々に向けたネタ作りが多いので、わざと若い言葉を入れたりね。そしたら逆に上の世代は「この言葉なに?」ってなって、だんだん理解していくとか。そのジェネレーションギャップのすり合わせ、みたいな事を僕たちはやっているんです。いろんな世代に楽しんでもらいたいっていうのが、一番の思いなんですよ。

 

―なるほど! 気付きませんでした(笑)。若者文化の面白さが分からない場合も多いですが、EXITさんが取り入れると気になります。

 

兼近:僕も正直、なぜ流行っているか分からないな~って思うものもあります(笑)。でもそれを切り捨てるのではなく、理解したいと思うんです。若い世代の事を学べますしね。

 

「映え体質」の2人がお気に入りの場所

 

―沖縄について。イメージや来た感想など教えてください。

 

りんたろー。:時間がゆっくり流れているみたい。気候もあったかいし、バカンスで来たいな~という感じですね。仕事でしか来ていませんが、楽しんでいますよ。違う国に来た感覚で、ロケも楽しみです。

 

兼近:コンビを結成して11月で2年ですが、沖縄にはめちゃめちゃ来ています。20回くらい来てるかも!? でもプライベートな時間は人生で一度も過ごしていません(笑)。移動して撮影したり舞台に立ったり、日帰りも多いのでなじみの深い場所は那覇空港かも。時間があるなと実感するのは、空港内のスターバックスにいる時くらい(笑)。

 

―何度来ても、忙しく仕事をしてばかりなのですね! では好きな沖縄の食べ物といえば・・・!?

 

りんたろー。:ジーマーミー豆腐と海ぶどう。タコライスもおいしいし、あぐー豚のしゃぶしゃぶも普通に好き。お肉がおいしいですよね! だからステーキも食べています。

 

兼近:ステーキがやっぱり一番好きかな。東京でも食べるんですけど、沖縄はやっぱなんか「深夜にステーキ食う」みたいな感覚。88ステーキにはもちろん行きましたし、ソーキそばは食べまくっているし、ポーク卵おにぎりも大好物。おしゃれなパンケーキ屋さん行ったり、朝ごはんでエッグベネディクト食べたり、沖縄ではいろいろ経験しているんですが、その思い出は全部仕事なんですよ。お仕事以外で何かをした事がない! 観覧車があって壁に絵がいっぱい描かれている、めちゃめちゃ映えスポットも行きました。沖縄らしさを感じて楽しかったです。

 

りんたろー。:あ~北谷のアメリカン・ビレッジ!!「映え体質」な僕の大好きな場所(笑)! スマホ片手に、相方に付き合ってもらってたくさん写真を撮りました。アメリカチックな雰囲気を感じ、建物がきれいで、沖縄は太陽の感じが他県と全然違う。写真を撮る時の光加減が良くてめちゃくちゃ映えますよね。Instagramにアップしてたくさん「いいね」をもらえたら、喜びに浸ってますよ~。気持ち的にはインスタ女子(笑)。彼女ができたら、やっぱりアメリカン・ビレッジには行きたいな~。デートにいいエリアですよね。かわいいカフェもたくさんあるし、東京とかのおしゃれな雰囲気とはちょっと違う、といつも感じます。夜の街もなんか面白そう! 沖縄に来ると開放的な気分になっちゃいますよ(笑)。

 

兼近:心が広くなって優しい気持ちにもなれる。せかせかしている感じがないですからね。仕事で来ていますけど楽しいです。琉球ガラス作りも体験しましたし、夜釣りに出てハリセンボンを釣ったり! 琉装したこともあるし、馬に乗って浜辺を走ったりもしましたよ。オーシャンビューの橋を自転車で渡ってドローンで撮影してもらったこともありますけど、あの景色はきれい過ぎて他には絶対ない! 海の色、太陽の光の加減、空の近さ・・・広い景色が見渡せて、あの感じはだいぶチャラかったです(笑)。もっと沖縄の景色を楽しみたいと思いましたね。遊び感覚で仕事をやっていると言えばそれまでですけど(笑)、沖縄に来たらやる事はやっている気がします。まだやっていない事、考えてみます!

 

お笑い以外の事にも挑戦!

 

―EXITさんは沖縄の海とかマッチしそう。今日の服装も似合っています。

りんたろー。:かりゆしシャツは好きです。

兼近:沖縄感を出します。沖縄の空気がまたいいですよね~。東京ってちょっと化粧くさい。空港や駅に着いたらすぐ匂いがするし、街中でもそうです。香水というかお化粧の匂いがすっごくするんですよね~。しゃれてるように見せたい人が東京には多いんでしょうね。ものすごく早い時間の流れの中に、お化粧する人がいっぱいいて、香水をつける男の人も女の人もいて。そういう人たちが集まって、行き交う街だと思っています。だからしゃれた匂いを感じるんでしょうね。自分を飾っている匂いかな。きれいな空気感で自然豊かな沖縄では、そのような匂いはありません。

 

りんたろー。:東京は化粧くさいって、よく言ってますよ。彼は異常に嗅覚が発達しています。

 

兼近:本当に香ってくる感じがする。沖縄から東京に戻ると、すぐ分かりますよ。

 

―沖縄のファンはどういう印象ですか?

 

りんたろー。:客席を見ても、誰が沖縄で誰が他県の方かはよく分かんないですが、沖縄花月やイベント会場でも盛り上がっていただいて楽しいです。でも公演が始まってから来る方もいて、これがウチナータイムか~と実感しました(笑)。沖縄の人は照れ屋さん、と聞いたこともあります。

 

兼近:7月の単独ライブは、ウチナータイムを想定した演出変更もありました(笑)。

 

―ぜひまた沖縄にも来てください! 最後に今力を入れていることや目標を教えてもらえますか。

 

兼近:頑張らないことに頑張っています。力を入れ過ぎず、お笑いだけではなくていろんな事に挑戦したい。YouTubeやTikTok(ティックトック)もやって、「お笑い芸人やからネタだけやっときゃええやん」みたいな考えは捨てるようにしています。反対する人がいたら、「時代に取り残されてください」と思うようにします(笑)。シンプルに、いろんな世代の人に楽しんでもらいたいというのがやっぱり一番の思いです。僕らを見て「新しい事を始めたい」と思う方が増えていったら、うれしいですね。

 

りんたろー。:楽しいことを追求していく。形にはあまりとらわれず、芸人芸人せずに2人で楽しいことを想像して実現させていければな~とイメージしています。考えつつやって行きますので、今は結構ぼやっとしてますけどね。

 

―お話すると、2人はとっても好青年!

 

りんたろー。:どこが好青年ですか~!? 2人とも、チャラくてチャラくてたまんないでしょう(笑)。

 

「ハイサイ気分」
ようこそ沖縄へ! 本土から来沖する有名人を歓迎する、連載インタビュー。近況や楽しいエピソード、沖縄への思いなどを語っていただきます。

 

【EXIT(いぐじぃっと) プロフィール】

☆りんたろー。/左
性別:男性
生年月日:1986年3月6日
身長/体重:180cm/85kg
血液型:A型
出身地:静岡県
趣味:美容、事務、お酒、パチンコ
Twitter: @rinnxofficial

 

☆兼近 大樹(かねちか だいき)/右
性別:男性
生年月日:1991年5月11日
身長/体重:172cm/60kg
Twitter: @kanechi_monster

 

◆インフォメーション◆

【よしもと沖縄花月】

 

「EXIT」ほか東京や大阪で活躍する芸人、そして沖縄所属の芸人も舞台に立つ『よしもと沖縄花月』は365日毎日営業中! お友達とご家族と、気軽にお越しください。
中学生以下のお客様は無料でご覧いただけます。(※一部対象外公演あり。当日券のみ)
那覇市前島3-25-5 とまりんアネックスビル2階(マップはこちら)
電話:098-943-6244
公式サイト==> http://www.yoshimoto.co.jp/okinawakagetsu/pc/

 

饒波貴子(のは・たかこ)
那覇市出身・在住のフリーライター。学校卒業後OL生活を続けていたが2005年、子どものころから親しんでいた中華芸能関連の記事執筆の依頼を機に、ライターに転身。週刊レキオ編集室勤務などを経て、現在はエンタメ専門ライターを目指し修行中。ライブで見るお笑い・演劇・音楽の楽しさを、多くの人に紹介したい。

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