11月にかけて続々と行われる即位関連行事。そこで皇室にまつわるお金の話を、皇室ジャーナリストの山下晋司さんに教えてもらいました。
【Q】「内廷費」は範囲内なら皇族方が自由に使っていいの?
その詳細が明らかにされない内廷費。だが、天皇ご一家が自由に使える金額はほとんどないとされる。天皇陛下はイギリスにご留学の際にはクレジットカードを使って生活されていたが、日本ではご自分で支払われる機会はまずない。
「内廷費は天皇家のプライベートマネーではありますが、宮内庁の職員である皇室経済主管が、内廷会計主管という立場で、管理しています。内廷費の使い道は宮内庁長官などで構成される内廷会計審議会で決められます。たとえば天皇陛下がカメラを買い替えられる場合などでも、事前に予算請求が必要になるようです。ですから、自由に使える金額というのは多くはありません」(山下さん)
’90年に当時の宮内庁次長が国会で答弁した内容に基づくと、内廷費から人件費を除いた物件費の内訳がみえてくる。
衣服や装飾品、身の回りの品である用度品の経費が18%、友人を招いての会食など個人的な食費や御料牧場以外から仕入れる食材費などが13%。日本赤十字社への寄付や被災地へのお見舞金などが9%、天皇陛下のライフワークである水や牛車の研究のほか私的なご旅行などが7%、天皇家の私的財産である宮中三殿での神事や天皇陵での式年祭などにかかる祭祀費が8%。これらはすべて経費とみなすことができる。
残りの11%にあたる約3,500万円のほとんどは余剰金として預金などに回されている可能性が高く、自由に使える金額はけっして多くはない。
「もっとも天皇陛下も雅子さまも愛子さまも、ご自分のお財布をお持ちになっています。天皇ご一家が皇太子時代から参加されている『オール学習院の集い』では、愛子さまが盲導犬のコーナーでご自分の財布から千円札を出して寄付されたり、盲導犬グッズを購入されたりしています。自動販売機で紅茶をお買い上げになったり、セブンイレブンでアイスクリームを買われたこともありました」(皇室ジャーナリスト)
私たちが思うより、皇族方が自由に使える範囲は狭いのだ。
『女性自身』皇室SPECIAL即位記念号「雅子さま 輝く笑顔が時代をひらく!」より
『女性自身』皇室SPECIAL即位記念号「雅子さま 輝く笑顔が時代をひらく!」
発売日:10月15日(火)
発行:光文社
価格:500円(税抜き)
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