沖縄の豚肉文化への思いを語る國場麻梨江さん=15日、うるま市内 画像を見る

 

【中部】うるま市と沖縄市で豚熱(CSF、豚コレラ)の発生が相次いだことを受け、本島中部では出荷制限などの影響が広がっている。沖縄の豚と食文化の継承に取り組む、うるま市のアンダカシー専門店「龍華」の國場麻梨江さん(35)は、県産豚肉の買い控えなどを危惧している。「沖縄の豚と農家が苦しんでいる今だからこそ、ウチナーンチュの“ゆいまーる”の心で助け合おう」と訴える。

 

豚熱発生の一報を聞いたときは「悲しみを通り越して思考停止になった」。人一倍、豚に愛情を注いでいた農家が被害に遭い「どうして…」とショックを受けたが、同時に「沖縄の豚肉文化を百年、二百年と残していくために必要な試練かもしれない」と思うようになったという。

 

落ち込む國場さんらに、闘牛関係者や畜産関係者も「畜産業界にとって常に隣り合わせの問題だ。互いに助け合おう」と声を掛けてくれたという。

 

以前から食肉加工業者や生産者の間では、消費増税や環太平洋連携協定(TPP)の影響で、沖縄の養豚が衰退しないかという懸念があった。その最中の豚熱発生に「業界は大打撃だ」と危機感を募らせ「農家を支えるためにも地産地消を考えるべきだ」と語る。

 

養豚支援と地産地消について考えるイベントの開催を予定する。「戦後苦しかった沖縄を救ったのはハワイの県系人であり、豚だった。豚の命がウチナーンチュの命をつないだことを思い出し、今こそ助けてほしい」と話した。

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