「息子が逮捕されたと知ったのはついさっき。ほんの1時間ほど前のことでした。急にいろんな人から電話がかかってきたり、メールが届いたりして……。もう、体に震えがきました。どうか、嘘であってほしい。二度と薬なんてやらないと思っていました。でも、これが現実なんですね……」
泣きださんばかりの表情でそう語るのは、槇原敬之容疑者(50)の父・博之さん(79)だ。
2月13日、槇原容疑者が覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕された。’18年4月に東京港区のマンションで、覚せい剤が含まれた粉末を所持していた疑い。さらに、危険ドラッグを所持していた疑いもあるという。
’99年にも同様に、覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕されていた槇原容疑者。その際、彼は直筆のコメントでファンや関係者にこう謝罪していた。
《今後は、絶対にこの様な事を起こさないことを、堅くお約束いたします》
しかし、それから21年。再び逮捕されてしまったのだ。博之さんは現在、79歳。5年前には大腸がんを患ったという。それだけに、逮捕の一報はことさらこたえただろう。
「僕も、もう年です。手術をして、人工肛門にもなりました。腸も飛び出してしまっています。息子は心配して、何度も見舞いに来てくれました。今でも頻繁にテレビ電話をかけてきてくれてね。会えなくても、顔を見せてくれていたんです」
実は最近も、槇原容疑者は両親と会っていた。逮捕6日前の2月7日、京都・伏見稲荷にいっしょにお参りへ行ったという。
「私ら夫婦と息子、あと息子の会社の人と行きました。息子らは毎年行くみたいで、『いっしょにどうか』と誘ってくれたんです。そこでも、特に変わった様子はありませんでした。このときは、あまり息子とはゆっくり話せなかったのですが……。いや、でもプレッシャーがあったのかもしれません。今年はデビュー30周年なので、息子は『今年は頑張らなあかん』と意気込んでいました。それに『あれもせなあかん、これもせなあかん。これもやらんと!』とも言っていて、忙しそうでしたから」
実際、槇原容疑者はデビュー30周年の特設サイトを開設。コンサートツアー開催も決定したほか、昨年10月には、初のカバー曲のベストアルバムもリリースしていた。だが、すべては逮捕によって崩れ去ってしまった。博之さんは親としての複雑な思いを明かす。
「あの子のやったことは、許されないことだと思います。でも、それでも一人息子やからね……。あとのことは、やっぱり親がしてあげないと。あの子には、身内は私たちしかおらんのです。だから、今から妻と東京に行ってきます」
そう頭を下げると、車に乗って走り去っていった――。
博之さんは、2月20日に80歳の誕生日を迎える。傘寿のお祝いに加えて、息子のデビュー30周年。喜ばしいことが続くはずだった。
そんな父を一転して絶望の淵にたたき落とした2度目の逮捕。両親との対面を果たすとき、槇原容疑者はいったいどんな言葉をかけることができるのだろうか。
「女性自身」2020年3月3日号 掲載