首里城復元に向けた技術検討委員会(委員長・高良倉吉琉球大名誉教授)は17日、スプリンクラー設備の導入や正殿の木材は国産ヒノキを中心に調達することなど「首里城正殿等の復元の工程表策定に向けた技術検討に関する報告」をまとめた。高良委員長が同日、那覇市の内閣府沖縄総合事務局で吉住啓作局長に手渡した。3月中に国が再建に向けたスケジュールなどを含めた工程表を策定する。
同委員会は昨年12月27日から3回の会合を開催。彩色・彫刻、防災、木材・瓦類の三つのワーキンググループ(WG)でそれぞれ2回の会議を開いた。本年度は工程表の策定に必要となる正殿を中心とした設計・施工のスケジュールに影響する事項を集中して議論した。詳細な検討や北殿や南殿などの復元に関する技術的な検討事項は来年度以降も継続して検討する。
「前回復元時の設計や工程の踏襲を基本として必要な見直しを行う」ことが基本的な考え方。防火対策では最先端の自動火災報知設備や放水力が強い連結送水管、貯水槽の増設、消火栓の新設などを求めた。材料調達ではチャーギ(イヌマキ)やオキナワウラジロガシが調達できれば使用することなどを盛り込んだ。
高良委員長は「工程表策定では避けては通れない、クリアしないとできない事項をまとめた。報告を踏まえていつごろ設計図の作成段階に入るかなど具体的なスケジュールができることを期待している」と述べた。
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