1日から母校で事務職に就く春夏連覇のエース島袋洋奨さん=30日、那覇市の興南学園 画像を見る

 

2010年に興南高校のエースとして甲子園春夏連覇を成し遂げて10年。プロ野球・福岡ソフトバンクホークスを昨年退団した島袋洋奨さん(27)が1日から、母校の事務職員として新たな社会人生活をスタートさせる。「子どもたちには負けられない。刺激し合って一緒に成長していきたい」。将来的には野球部の指導者を目指す。

 

「お帰り」「頑張ってね」。3月30日、母校の校門をスーツ姿でくぐった島袋さんに教職員から、温かい声が掛けられた。

 

昨年、恩師で同校野球部の我喜屋優監督から指導者にならないかと誘いを受けた。島袋さんは「興南に戻る選択肢があることに素直にありがたいと思った」と感謝する。

 

ただ、元プロ野球選手などが学生野球の指導に当たるには「学生野球資格回復研修」を修了し、日本学生野球協会に認定される必要がある。島袋さんは20年度中の資格回復を目指しており、認定後、県高野連に指導者登録をして初めて指導が可能となる。

 

平行して教員免許の取得を目指す。栄光の高校時代から挫折を味わった大学時代、過酷なプロの世界で培った経験を生徒たちに伝えたいと意気込む。「これまでたくさんの後悔がある。何が必要でどうすべきだったのか、子どもたちと一緒に悩み、考えていきたい」

 

1月には第一子となる長女が誕生した。「おむつ換えとお風呂を担当している。娘が声を出して笑う時がたまらんっす」。新たな経験を楽しみながら第二の人生を歩み始めている。
(高辻浩之)

 

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