米アラバマ州に住む女性が自らの腎臓を警察官に提供し、話題となっている。というのも、かつて二人は逮捕する側とされる側だったからだ。
KTBCによると、過去薬物に溺れたジョセリン・ジェイムズさんは2007年から2012年の間の約5年間で16回も逮捕され、刑務所の常連となっていたという。彼女を幾度となく逮捕し、更正を説き続けたのが、フィル・キャンベル署の警察官、テレル・ポッターさんだった。
「自分の人生なんかどうでもいいと思っていました。殺人以外のことは大体やっていましたね。今、生きていることに心から感謝しています。あのままなら、きっと死んでいただろうから」とNBCに語るジェイムズさんは、今年の11月には出所8年、禁薬8年のお祝いをするつもりだという。今の彼女があるのは、犯罪の道から無理矢理にでも掬い上げてくれたポッターさんのおかげなのだ。
一方のポッターさんは、昨年腎臓病を患いドナーを探していた。医師からはドナーが見つかるまで7〜8年はかかるかもしれないと言われていたという。ポッターさんの娘がFacebookに父親の窮状を書き込むと、それがジェイムズさんの目に止まった。ジェイムズさんはすぐに検査を受け、ポッターさんに適合することがわかると生体腎移植のために提供すると申し出たという。
「彼に腎臓が必要だということを知ったとき、聖霊が私に『お前はあの人の腎臓を持っているよ』と言ったんです」(ジェイムズさん)
移植手術は7月21日に行われ、無事に成功。ポッターさんは「彼女はもう1人の娘のようなもの。家族の一部ですよ。私たちの間には一生続く素晴らしい関係ができました。間違いありません」と喜びを語る。
ジェイムズさんは現在、「The Place of Grace(恩寵の場所)」という、女性が薬物依存から立ち直るための支援を行う施設を運営している。