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10月24日(土)、社会人のアメリカンフットボールのトップリーグであるXリーグが開幕する。そこで気になるのが、今シーズンからXリーグに加わった有名人2人の存在だ。

 

まずは、ブルゾンちえみ with Bの“金髪の方”でもおなじみだった、元ブリリアンのコージ・トクダ選手(32・本名:徳田浩至)だ。彼は今シーズンから10年ぶりに競技に復帰。そして、“日大反則タックル事件”で図らずも時の人となってしまった元日本大学アメフト部の宮川泰介選手(21)も今年3月に大学を卒業し、社会人になった。2人とも最前線で敵とぶつかり相手の攻撃を粉砕する、ディフェンスラインというポジションを務めている。

 

■すでにコージはスターター級

 

「コージ選手が入部したのは、『みらいふ福岡SUNS』という福岡県を本拠地にするチームです。これまでXリーグのチームがなかった九州に初めてできたチームで、2017年に創部されたばかり。しかし、X3に参入すると、またたく間に強豪チームになり、創部から1度も負けることなく、X1 Areaまで昇格しました」

 

そう語るのは、Xリーグ関係者だ。XリーグはサッカーのJリーグと同じような仕組みになっている。X1~X3と実力別に3つのカテゴリーがあって、さらにX1は上部カテゴリーである「X1 SUPER」と下部カテゴリーの「X1 Area」に分かれている。そして、上部カテゴリーの下位チームと、下部カテゴリーの上位チームで入れ替え戦が行われるのだ。

 

名門・法政大学アメフト部で主将を務めたコージ選手は「九州から日本一」という理念に共感し、X1 Areaに所属する福岡SUNSに加入した。

 

「名門チームでキャプテンを任された実績はあるといえ、芸能活動を続けながらの約10年ぶりの現役復帰には“話題作り”とか“中途半端だ”などと、外野からは冷ややかな声もありました。しかしチームに加入したコージ選手は誰よりも大きな声を出し、一生懸命に練習した。持ち前の明るさやリーダーシップもあって、すぐにチームの信頼を得たそうです」

 

仕事の拠点は東京。毎週末、飛行機に乗って練習に通っているという。

 

「問題はゲーム勘だけでしょう。オープン戦の意味あいの強い春のトーナメント戦や、交流戦はコロナ禍の影響で一切行われませんでした。ただ試合や練習が行われなかったぶん、筋トレには励めたそうで、ブリリアン時代は80キロ前後だった体重は100キロ近くにまで増量できたとのこと。チーム内の模擬戦や最近行われた練習試合でも十分に活躍していて、スターター候補のひとりです。大学時代よりはスピードは落ちているように感じましたが、テクニックはそのままに、ヒットの強さは増しているように見えました」

 

■宮川選手はいずれ日本を代表する選手に

 

一方、元日大の宮川選手が加入したのは、X1 SUPERに所属する富士通フロンティアーズ。アメフト日本一を決めるライスボウルを四連覇中の日本最強チームだ。

 

「富士通フロンティアーズは神奈川県川崎市を本拠地とする実業団チームで、選手はみな富士通やその関連会社の社員です。それこそ、その世代を代表するような有名選手や、とてつもないポテンシャルを見込まれた選手などしか加入できない、エリートチームといっていいでしょう」

 

U19の日本代表でもあった宮川選手。あの反則タックル事件が起きたのは宮川選手が3年生の5月のときだった。

 

「このときにはすでに“速くて、うまい”選手でしたが、まだ学生らしく線が細い印象があった。あの事件のあと、宮川くんは4年生の11月まで試合への出場を自粛しています。その間に相当な努力をしたのでしょう。1年半ぶりの復帰戦では、体は一回り大きくなり、プレイも力強くなっているように見えました。社会人でも活躍するどころか、いずれ日本を代表するような選手になると思います」

 

フロンティアーズの公式サイトでも、<サイズ、スピード、パワー、クイックネス、どれをとっても一級品。今後のフットボール界を引っ張っていく存在になること間違いなし>と紹介されている。ちなみに、身長は185センチで、体重は105キロで登録されている。

 

「フロンティアーズには多くの日大OBが所属しています。チームにもすぐに馴染み、先輩選手たちからも可愛がられているそうです。日本でいちばん選手層の厚いチームですから、すぐにスターターになれるかはわかりませんが、アメフトは選手交代の回数に制限はないので、おそらく1年目から試合に出場する機会はあるはずです」

 

■両チームの対戦はあるとしても再来年以降

 

はたして、この2人の有名人の直接対決が見られるのだろうか。

 

「例年であれば、“論理的には”可能性がありました。フロンティアーズがX1 SUPERで最下位になり、福岡SUNSがX1 Areaで優勝すれば、入れ替え戦で戦うことになります。ただ、昨シーズン4勝2敗の好成績を残した福岡SUNSの優勝はともかく、4連覇中のフロンティアーズが最下位になることはまずあり得ないですね」

 

しかし、今年に限ってはそんなわずかな可能性すらなくなった。

 

「今シーズンはコロナ禍で試合数が制限される変則的なシーズンになるため、入れ替え戦は行われないことになりました。互いの本拠地も遠いので、練習試合なども組まれることはないでしょう。やはり、両チームの対戦は福岡SUNSの昇格を前提として、最短でも再来年以降ですね。仮に対戦が実現しても、ともにディフェンスの選手ですから、2人がぶつかり合ったりする可能性は非常に低いでしょう」

 

今シーズン、有名人2人の姿を1つの試合で観るという“欲張り”は叶わないようだが、それぞれの活躍は観ることはできる。

 

10月24日(土)に宮川選手が所属する富士通フロンティアーズはノジマ相模原ライズを相手に富士通スタジアム川崎(神奈川県川崎市)で初戦を戦う。コージ選手が所属する福岡SUNSの初戦は、11月1日(日)に神戸市王子スタジアム(兵庫県神戸市)で行われるアズワンブラックイーグルス戦となる。今年はX1の全試合が、ネットで無料のライブ配信される予定だ。

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