民放夕方ニュース番組視聴率8年連続トップの日本テレビ「news every.」キャスターで、番組最初のコーナー「ナゼナニっ?」で旬なニュースをわかりやすく解説する小西美穂さん。
報道記者、キャスターとして30年。各界の著名人など延べ1,700人超のインタビュー実績を持つ彼女が、様々な取材現場やキャスターとしての経験をもとに、逆境を乗り越えて成長につなげるための方法を『報道キャスターが現場で学んだ42の仕事術』(12月9日発売・光文社)という一冊にまとめた。
昨年4月から日刊ゲンダイで1年間連載した「小西美穂の仕事のルール50」をもとに、“withコロナ時代のコミュニケーション”の視点を加えて大幅加筆。現在、さまざまな転機、逆境に直面している人々に読んでほしい一冊となっている。
内容は、
【1章】成長につながる仕事術
【2章】発散ノートと改善ノート――心と頭を整理
【3章】コミュニケーション力をアップ!
【4章】チームの活力をアップ!
【5章】折れない、しなやかな心を持つ
の5章構成で、42の仕事術を提言。
海外(ロンドン)赴任、ローカル局からの転職、記者からキャスターへの転身、初めてのMC番組で視聴者から批判殺到、番組降板…と、さまざまな転機、逆境を経験、乗り越えてきた著者が実践してきたのが、第2章で書かれている「発散ノート」と「改善ノート」の2つのノートを作ること。「発散ノート」では、その時の負の感情を書いてサッパリと捨てる。また、「改善ノート」では、さまざまな「気づき」をメモして繰り返し読むのだが、実際のノートを見せて紹介している。
また、2019年秋から早稲田大学の大学院生でもある著者は、40歳、50歳、60歳からの「学び足し」で自分をアップデートすることも勧めている。「50歳を迎え、『インプットしたい』『自分の領域から出たい』という思いが強くなり、大学院受験にチャレンジ。キャスター業との両立を実践している。
そのほか、キャスターならではの視点で、リモート会議での「映り方」や「話し方」やビジネスで使える会話のテクニックや相手の心の掴み方など、延べ1700人をインタビューしてきた彼女ならではのコミュニケーション術も紹介。
【第5章】の折れない、しなやかな心を持つ、の章では、「不安」「嫉妬心」「思い通りにならない」状況を克服する方法を自身の体験談から書いている。花形と思われるテレビキャスターも、立ちはだかる困難は、ほかの職業と一緒のようだ。
最後は、コロナ感染拡大で両親など家族に思うように会えないなど、不安な気持ちを抱いている人も多いと思うが、そんな時だからこそ目の前の家族を大事にする大切さを、自身の介護体験などを踏まえて書いている。親の介護などに直面している世代には、涙なくして読めないエピソードとなっている。
「新型コロナウイルス(以下コロナ)の感染拡大を受けて、仕事の環境もやり方も、一変しました。外出自粛要請にともない、企業にはリモートワーク・テレワークの導入が求められました。対面せずに仕事の成果を上げ、個々のITのスキルアップも求められました。社会全体がデジタル化へ大きく舵を切っていくなか、まだまだ戸惑っている人たちも少なくないと思います。
この本では今後の“リモート時代”を見据えた“新しい仕事のルール”についても伝えたい。そう強く思いました。その理由のひとつは、前述したようないくつもの転機を私自身が経験してきたからです。多少なりとも“変化に強い”といいますか、境遇の変化に立ち向かうノウハウをお伝えできるのではないかと。もうひとつは「news every.」を通してコロナ関連のニュースを伝え続けてきた者として、伝え方やコミュニケーションの取り方、働き方などについて“新しい気づき”があったからです。
みなさんのなかには、これからの変化にどう対応して働くか、不安を感じている人もいるでしょう。私も同じです。それでも変わることをひとつの楽しみに、リモート時代を見据えて新しい働き方を模索していきたい。私はそう考えています」(小西美穂)
サラリーマンだけではなく、withコロナ時代の「変化」に立ち向かう、すべての人の「勇気」と「ヒント」になるキーワードが詰まっている一冊である。
【INFORMATION】
著者:小西美穂
発売:12月9日(水)
価格:1,500円+税
出版:光文社
https://www.amazon.co.jp/dp/4334952135/