新型コロナウイルスの影響を受けた消費の減少などに伴い、沖縄県内で2千円札の流通が停滞している。日本銀行那覇支店のデータによると、2千円札が一般に出回っている量は過去3年間、1年ごとに約30万~50万枚増加してきた。本年度は4月に710万枚だったのが、11月時点では707万枚と約3万枚の減少となっている。沖縄観光みやげなどに2千円札を引き出す観光客の減少が要因とみられ、県銀行協会は県民向けに利用促進をアピールする取り組みを始めた。
県内で出回る2千円札は、日銀那覇支店が供給した紙幣の量から、古くなって戻ってきた紙幣の量を差し引いた枚数となる。推移をみると、2020年度は月ごとの集計で減少と増加が一進一退となり、5、6、8月は前月の量を下回った。
昨年10月末の首里城焼失後、県銀行協会は加盟する6金融機関と連動し、2千円札の流通量に応じて再建費用を寄付する取り組みを進めている。昨年12月末を基準として、半年に1度、2千円札の流通が増加した金額の0.1%を寄付する仕組みだが、コロナ禍で流通量が増えず、1~6月までの寄付額は18万8千円にとどまった。
同協会によると、2千円札は観光客が積極的に使ったり、持ち帰ったりすることが多く、入域観光客数の増加に比例するように発行高が増えていたという。
コロナ禍でも流通量を増加させようと、同協会は県民に2千円札の利用を促すポスターを作製し、15日までに加盟金融機関に配布した。金融機関の取引先企業など県内2千社への設置を目指す考えだ。
県銀行協会の比嘉龍二事務局長は「2千円札の使用で、首里城再建に寄付ができる。現金で支払う場面では積極的に使用に協力してほしい」と語った。
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