【東京】那覇市出身のモデル・女優で、飢えのない世界を目指し食料支援を続ける国連機関、世界食糧計画(WFP)日本大使の知花くららさんが、沖縄県内の高校生や大学生らと交流するイベントが24日午前、外務省であった。大使として世界各地を回る中、台湾や東南アジア、南欧などで、日本本土にはない「沖縄っぽさ」を感じる場面があったと振り返り「沖縄は日本本土よりも世界に近く、(海外に)アプローチできる場所だと思う」と語り、若者に期待を込めた。
2007年にWFPに関する活動を始めた知花さんは、学生らの質問に答える形で各国の食事情などを紹介した。19年に出産して以降は海外視察ができない状況が続くが「母となった立場から、新たに(日本で)伝えられることがあると思う」と話し、環境が変わった後の海外訪問に期待を込めた。
19歳の時にフランスへ短期留学した。現地では電子辞書が手放せず、細かな表現が気になって言葉を発せない日々が続いたが、「間違っていてもいいから思っていることを言ってみて」と業を煮やしたクラスメートから辞書を取り上げられたエピソードを紹介。「何を相手に分かってもらいたいか、が大事だ。単語3つ、5つでも、気持ちが伝わることはすてきな経験になる」とエールを送った。
イベントは外務省が実施する沖縄の若者を米国に派遣する交流事業「アメリカで沖縄の未来を考える(TOFU)」の一環で行われ、14人が参加している。新型コロナウイルス感染症の影響で米国派遣を見送り、東京で22日から25日まで、在日米大使館のヒル首席公使や、ケネディ元駐日大使らとの面談を重ねている。
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