沖縄県警が今年2月、本島南部の高校3年生(当時)を含む少年3人を、覚醒剤取締法違反(共同所持)などの容疑で逮捕、送検していたことが20日、捜査関係者らへの取材で分かった。3人は会員制交流サイト(SNS)での、覚醒剤や大麻の売買に関与していたとみられる。SNSでは、県内での違法薬物の密売を意味する「沖縄手押し」という隠語を使用していた。捜査関係者などによると、少年らは高校生の知人らにも違法薬物を譲り渡していた可能性がある。
県警はこれまでに複数の少年から事情を聞くなどし、高校生を含む未成年者が関与する薬物事案として慎重に捜査を進めている。
覚醒剤や大麻などの薬物汚染が県内の若年層を中心に深刻化している可能性があり、県警は入手ルートを調べるとともに、反社会的な組織や人物との関わりがないか詳しく調べている。
複数の関係者によると今年2月中旬、覚醒剤数百ミリグラムと大麻数グラムを所持していたアルバイトの少年(16)が、本島南部の路上で逮捕された。
少年が所持していた覚醒剤は、使用量としては10回相当で、販売目的で所持していたとみられる。その後の県警の捜査で、少年の知人で本島南部の男子高校生(18)と、有職少年(18)の2人が少年に覚醒剤を譲り渡していた可能性が浮上した。県警が男子高校生と有職少年が同居する自宅を家宅捜索し、大麻数グラムを押収した。
県内の教育関係者は「高校生が覚醒剤とは。しかも沖縄で」と言葉を詰まらせる。県外で未成年が覚醒剤事案に関与したという報道を目にするたびに、県内での発生を危惧していたという。「覚醒剤事件に高校生が関与していたと聞くだけでも驚きだが、売人として持ち歩いていたとなれば、(違法薬物が)まん延していると言わざるを得ない」と、危機感を募らせている。