「オールジャパンで対応すれば何とか開催できると思う」
「歴史認識などで一部から反日的ではないかと批判されている人たちが、今回の開催に強く反対している」
総理大臣を辞任後も冒頭のように、各所で東京オリンピック・パラリンピックの開催を強く訴えてきた安倍晋三前首相(66)。ところがいよいよ開幕を迎えようとする直前になり、7月23日の開会式を欠席すると表明したというのだ。
NHKの報道によると欠席の理由として、東京都に緊急事態宣言が出され、無観客開催となったことなどを考慮したという安倍氏。開会式は出席者を減らす方向で調整されており、経済3団体のトップやスポンサー企業が相次いで出席を見送るといった動きに足並みを揃えたかたちとなった。
一見、世間の状況を気遣い、配慮した行動のように見える安倍氏の欠席。しかし、安倍氏といえば、首相在任中から東京五輪の招致段階から旗振り役を務め、新型コロナ感染拡大の収束が予測できないなかでの1年延期を決めた“張本人”だ。現在は、大会組織委員会の名誉最高顧問に就任している。
昨年3月24日にはIOCのバッハ会長(67)と開催延期を合意した後、記者団に向けて「人類が新型コロナウイルス感染症に打ち勝った証しとして、完全な形で東京五輪・パラリンピックを開催する」と意気込んだ安倍氏。さまざまな功績が評価され、同年11月にはバッハ会長からIOCの功労章「オリンピック・オーダー」が贈られていた。しかし安倍氏のやり方に、首をかしげる人も少なからずいるようだ。
「13年9月のIOC総会で福島第1原発の状況ついて『アンダーコントロール』との言葉を用いた招致演説を皮切りに、安倍氏は五輪開催に向けて本格的に動き出しました。16年のリオ五輪閉会式では、『スーパーマリオ』に扮して東京五輪をアピール。そんな東京大会は1年延期されましたが、安倍氏は周囲の“2年延期案”を押し切ったのです。
しかしコロナ禍の出口は依然として見えておらず、むしろ感染は再拡大しています。それだけではなく、五輪関係者の不祥事で辞任者も相次いでいます。こういった態様に国内外からも批判の声が上がっており、開会式の2日前に欠席を表明したことは“逃げた”と思われても仕方がないでしょう」(全国紙記者)
開会式をめぐっては、19日に楽曲制作に起用されていた小山田圭吾氏(52)が辞任したばかり。さらに22日には、演出の担当者だった小林賢太郎氏(48)が過去の不適切表現で解任されるといったドタバタぶりだ。課題が山積するなかでの開幕を目前に、“ドタキャン”とも言える対応を取った安倍氏に責任を問う声が広がっている。
《「完全な形での五輪」が実現出来なかった。これは責任なんか感じてない。ただ叩かれる要素しかないから逃げただけ!! 政権からも逃げ自ら誘致した五輪からも逃げてるただの卑怯者》
《さんざん神輿を担いだのだから、さすがに出席して責任を全うすべき所でしょ》
《無責任ここに極まれり》
これを「敵前逃亡」と言う。無謀な突撃を命じた指揮官が自分だけ逃げるケースはままある。