「生キャラメルで有名な『花畑牧場』(北海道中札内村)で1月26日、ベトナム人の従業員38名により、寮の水道光熱費の値上げに抗議すべくストライキが実施されました。その後、会社側が従業員に計200万円の損害賠償を請求したことが、2月24日に判明したのです」(経済紙記者)
田中義剛(63)が代表取締役社長を務める『花畑牧場』で労使トラブルが報じられた。
前出の経済紙記者は言う。
「札幌地域労組によれば、ベトナム人の従業員たちが住んでいた寮の水道光熱費は毎月7千円で、給料から天引きされていたとか。ところが、今年1月に突如1万5千円に。ベトナム人従業員たちは何度か会社側に抗議したものの、会社が対応しないと判断したためにストに踏み切ったといいます。
実はその時、同社には労働組合がなく、従業員はグループラインでストを通告して田中社長にも改善を訴えたそうです。会社側は光熱費を7千円に戻すとしながら、ストに参加しなかった従業員を含む40人に3月15日での契約終了を通告。また、ストの参加者4名には『ほかの従業員を巻き込んで生産ラインを止めた』などと、計200万円の損害賠償を請求したのです。4名は札幌地域労働組合に加盟して支部を結成し、『労働条件改善のための正当な行為』と主張。一方の会社側は、労組結成前のストで『職場放棄』と判断しているといいます」
田中は一部メディアの取材に「今後は顧問弁護士が団体交渉を行う。示談するつもりはない」と話したという。
実は田中は今年1月27日の地元紙『北海道新聞』のインタビューで、「チーズ大増産計画」について語っていた。
「国内のチーズの消費量は36万トン以上で、6年連続で過去最高を記録し続けています。特にモッツァレラやカマンベールなど加熱処理をしないナチュラルチーズの需要が高いのですが、8割以上が外国産なのが現状です。そのため田中社長は『市場の伸びも勢いがあり、チーズは可能性がある』として4月からはチーズの生産を従来の2倍に当たる月約200トンに増やすと公言したのです」(前出・経済紙記者)
生産拡大に向け、十勝管内の工場で大幅な増員をする計画だとも明かしていた。地元紙には「国産品の需要を高め、生乳の余剰を解消したい」と話していた田中社長だが、この大増産計画も今回の労使トラブルに何らかの影響を及ぼしていたのだろうかーー。