アンガールズ・田中卓志(46)の冠番組『呼び出し先生タナカ』(フジテレビ系)が4月からスタートすると発表された。
番組はお笑い教育バラエティとのことだが、注目すべきは番組よりもMCである田中の近年の活躍ぶりだ。
田中といえばもともと独特な動作や見た目、そこから醸し出される発言や雰囲気から“キモキャラ”として長くバラエティで活躍してきた。そんな彼が最近、キモキャラから脱却。《能力が高いからこそ出来ること》《人柄がいい》《何気に三高》などなど、多くの視聴者から好感度の高いコメントが集まっているのだ。
芸能界にはいつも“キモキャラ枠”が存在してきた。少し上の世代では出川哲朗(58)や江頭2:50(56)などがいたが、不思議と彼らはあるとき急に好感度が上昇。出川は今や愛されキャラに。江頭は多くの人を励ます全力芸人として、それぞれ活躍している。
田中に限らずこうした世間の評価が反転するとき、いったい何が起きているのか。コラムニストのおおしまりえさんは「3つの要素が絡んでいる」と分析する。以下、その理由について語ってもらったーー。
■芸としてのキモさを貫く
「キモい」といわれるキャラで人気を集める芸人さんの多くは皆さんも知っての通り、ある程度そのキャラを演じています。視聴者はこうした誇張や演技を分かりつつ楽しんでいるわけです。
ただ彼らにはたとえ人気が出ても若手枠から抜け出しても、キモいと言われる芸を続ける“強い一貫性”があります。
いわゆるひな壇芸人にはキャラや押出しポイントを柔軟に変えるタイプと、1つのキャラを定め打ち出し続けるタイプがいます。
後者の場合、続ければ続けるほどそのキャラには磨きがかかります。観る側の接触回数も増加し、どこかのタイミングで「キモいけどいい!」といった好感につながるのかもしれません。
■垣間見える人柄のよさ
嫌われることで人気を博すタイプの芸人さんが、あるとき急に好感度が上がる。その現象に欠かせないのは従来のネガティブ要素に加え、相反するポジティブな要素が見えることです。
たとえば人柄の良さや誠実さ、真面目さなどです。そうした側面が垣間見えると、もともとの印象がネガティブであるほど人の好感度は反転しやすいといわれています。
これはヤンキーが動物やお年寄りに優しいと、好感度が上がるのと仕組みは同じ。キモい系芸人といったネガティブなキャラ付けから始まったタイプの芸人さんも、何かをキッカケに人間的な良さが感じられると好感度もオセロのようにパタパタとひっくり返るのです。
田中さんは、それがココ数年の間に起こっているのかもしれません。