「家計が値上げを受け入れている間に、良好なマクロ経済環境をできるだけ維持し、賃金の本格上昇につなげていけるかが当面のポイントだ」
6月6日、都内で行われた「共同通信きさらぎ会」の講演で、日本銀行・黒田東彦総裁が日本経済の現状についてこのように私見を述べた。しかし、Twitterで「#値上げ受け入れてません」というハッシュタグがトレンド入りする事態となるなど、厳しい批判を呼んでいる。
「黒田総裁は、新型コロナウイルスの影響で行動が制限された結果、家計に『強制貯蓄』が蓄積しているのでは、と指摘しました。現在日本では原油価格の高騰に加え、ウクライナ侵攻や円安の余波を受けさまざまな商品の値上げが相次いでいるにもかかわらず、この『強制貯蓄』があるため値上げが受け入れられている、と考えているようです」(政治部記者)
国民の実情を理解しているとは到底思えない発言だが、当の本人はというと、かなり“リッチ”な生活を送っているようだ。
「3日の参議院予算委員会で相次ぐ値上げについて話題がのぼった際、立憲民主党・白真勲参院議員が『ご自身がショッピングしたときの感覚、実感をお聞かせください』と尋ねました。
すると黒田総裁は『私自身、スーパーに行って物を買ったこともありますけれども、基本的には家内がやっておりますので、物価の動向を直接買うことによって感じているというほどではありません』と答弁したのです。『自分は買い物をしないのでわからない』とでもいうようでした」(全国紙記者)
そもそも黒田総裁の年収は桁違いのものだという。
「転職情報サイト・デューダによると日本人の平均年収は403万円。いっぽう、2021年度の黒田総裁の年収は3501万円と日銀が公表しています。
相次ぐ値上げのなか多くの国民は節約をしながら生活していると思いますが、こうした国民生活と乖離した感覚を持つ黒田総裁がなぜ『家計が値上げを受け入れている』と言えるのでしょうか……」(前出・全国紙記者)
黒田総裁の任期は来年4月まで。それまでに庶民生活の実像を理解してもらいたいものだーー。