7月10日に投開票が行われる参議院議員選挙。各党が投開票日に向けてしのぎを削っている日々だ。
「メディア各社の序盤の情勢調査では、自民党と公明党の与党が優勢という結果が出ていました。しかしここにきて、立憲民主党や日本維新の会を中心に野党が支持率で追い上げを見せており、まだまだ情勢には変化が起こりうる局面です」(政治部デスク)
議席獲得に向け、各党の代表も全国津々浦々で候補者の応援演説に立っている。そんななか、6月26日に立憲民主党の泉健太代表(47)がJR秋葉原駅前で行った演説が、SNSのガンダムファンを中心に“失笑”を買ってしまった。その演説は、次のようなものだった。
「この物価高には、もっともっと怒って頂きたい。まさに『立てよ、国民』。私は皆さんにお伝えしたい。この悲しみ、この苦しみを怒りに変えて「立てよ、国民」。我々は自由民主党に比べれば戦力は少ないけれど、しかし、正義の戦いをしている」
ところが、引用したキャラクターは残虐非道な“悪役”。あまり反応は良いものではなく……。
「泉代表が引用したのは、『機動戦士ガンダム』のキャラクターであるジオン公国軍を率いる独裁者、ギレン・ザビ総帥の演説です。
同作では、地球連邦軍とジオン公国軍による『一年戦争』がストーリーの軸になっていて、ギレン総帥は国民をカリスマ的な指導力と選民思想で扇動し、ジオン軍の残虐非道な大量虐殺を主導した“悪役”として描かれています。
こうしたこともあってか、SNS上の反応は、あまり好意的なものが多くないようですね」(ガンダムに造詣のある政治部記者)
《あれ独裁者の言葉だぞ?》
《作中で父を謀殺し妹に暗殺された人物だというのは承知でやってるのかな》
《ジオン軍の側でいいのか》
《元の演説が弟の死を政治利用するやつなのに…》
SNSでの反応を受けて、泉代表自身もTwitter上で説明を余儀なくされた。
「演説の内容に批判的なツイートに対して、泉代表は『あの一節を叫んだからといって、現実世界の皆様が簡単に扇動されることはありませんよね』『ガンダムの秀逸な点は、敵味方両軍の愛や哀しみを描き、政治体制の違いも、扇動の危険も描いていたところ』と発信したり、一定の説明を行っています。
もちろんガンダムが大好きなことや、作品へのリスペクトも示していることは結構なことですが、フィクションとはいえ独裁者の演説を引用するというのは、少し軽率だったのではないかと個人的には感じてしまいます」(前出・政治部記者)
泉代表も、甘いようで……。