「昨年、『紅白』は歴代最低の世帯視聴率34.3%(第2部)を記録してしまいましたが、現在の若手中心の出場者ではさらなる低下が危ぶまれます。人口の多い50代以上を狙えば、世帯視聴率は上がります。NHKはそうわかっていながら、ベテラン歌手は選ばなかった。これからの受信料を見据えているためです」(テレビ局関係者)
11月16日、『NHK紅白歌合戦』の出場者が発表された。初出場はストリーミングの再生回数1億回突破を7曲も持つVaundy、日韓の女性5人組グループのLE SSERAFIM、昨年11月にデビューしたなにわ男子など10組に上った。一方、近年は北島三郎(86)や五木ひろし(74)、森進一(75)の勇退もあって演歌勢が減少している。出場が噂されたデビュー50周年の松任谷由実(68)、40周年の中森明菜(57)、2年ぶりの復活を期待された松田聖子(60)の名前もなく、“中高年の紅白離れ”も心配されている。
NHKの『2022年度第2四半期業務報告』によれば、4月から9月までの2022年契約総数は4135万件で昨年から19.8万件減少した。
「今後の受信料の徴収を考えれば、若者に払ってもらわなければならない。最近の10代、20代はテレビを見ないだけでなく、そもそも持っていない人も少なくない。これから人口が減っていく中で、受信料で成り立つNHKは若者にテレビを好きになってもらわないといけない。今までのような高齢者の好きな歌手がたくさん出て、若者に古いと思われることは致命的なんです。ストリーミングで人気の高いVaundyの出場はまさに時代に合わせた人選です。NHKは今年の『紅白』では世帯視聴率以上に、若年層の視聴率を気にしているようです」(前出・テレビ局関係者)
若者重視の人選に、ネット上では中高年と思われる人たちに失望の輪が広がっている。その声を拾うと、『紅白』の裏番組で毎年放送中のテレビ東京『年忘れにっぽんの歌』への期待も高まっているようだ。
《紅白歌合戦はNHKを代表する長寿番組。例え視聴率が下がって来ようと、若い世代の受けを狙って何になるのだろう。 逆に長きに渡り紅白を楽しみにしてきた視聴者層をどう見ているのだろう》
《私は高齢者、子供の頃から年末は紅白を見ないと越せないと思っていた一人です。ここ10年以上は視聴することが無くなってしまいました。 若者をターゲットとするのならそれはそれで良いと思いますが、国民的歌番組ではなくなってしまったような気がします》
「中高年の受信料支払いがなければ、NHKは成り立たない。NHKから“斬られた”と感じる彼らの不満も理解できます。『年忘れ』は演歌勢だけでなく、最近では1980年代にヒットを飛ばした歌手の出演も多くなっている。『紅白』は今の人選のままだと、世帯視聴率は昨年より下がるでしょう。逆に『年忘れ』は上がりそうです。もちろん、紅白も最低を更新しないように、これから新たな大物の発表があると思いますが…」(前出・テレビ局関係者)