トルコ・シリアで発生した大地震で、がれきの下から死亡した母親とへその緒が繋がった状態で救助された新生児は、いまだ危険に晒されているようだ。
「神のしるし」を意味するAya(アヤ)と名付けられた赤ちゃんが入院するシリアの病院を、13日に武装集団が襲撃したとAP通信が伝えている。
アヤちゃんの両親やきょうだいは地震で命を落とし、大叔父が引き取ることになっているが、彼の家も倒壊したため現在は一家でテント暮らしを余儀なくされている。そんな彼女には世界中から養子に迎えたいとの申し出が殺到しているという。
そのような背景から、ソーシャルメディアでは武装集団の狙いはアヤちゃんを誘拐することではないかと噂が広がったが、真相はもっと複雑なようだ。
匿名を条件にAP通信の取材に応じた病院関係者によると、看護師の一人がアヤちゃんの写真を撮っていたところを病院長が目撃。看護師が誘拐を企てていると考えた病院長は、即刻その看護師を解雇した。その数時間後、看護師は武装した仲間を引き連れて病院へ戻り、院長に暴行を加えたという。
これまで親族だと偽って複数人がアヤちゃんを引き取りに押しかけていたことから警官が警護に当たっており、彼女は無事だった。武装した一団は、仲間が不当に解雇された報復で院長を襲ったと捜査当局に語っているそうだが、真意は明らかになっていない。